現在のNBAファンで彼の存在を知らない者はいないだろう。これまで3度頂点に立ち2度のMVPにも輝くリーグ最高峰のPG、ステフィン・カリー。
彼は2009年にドラフト7位でゴールデンステイト・ウォリアーズから指名され、それ以来フランチャイズプレイヤーとして活躍している。
今ではもし彼がエントリーしたドラフトをやり直したら、彼がドラフト1位指名となってもなんら不思議はないだろう。
過去に例を見ないほどの圧倒的なシュート力でゲームを破壊した史上最高のシューター、彼の真価にもしあの時気づいていたら。
2009年のNBAドラフト、1位指名権を持っていたのはロサンゼルス・クリッパーズ。
もし、彼らがステフィン・カリーを指名していたら…
そんな妄想を見事な編集力で実現させた動画が、この度Bleacher Reportより公開された。
▼If Steph Curry Had Been Drafted No. 1 by the Clippers 10 Years Ago▼
現実ではウォリアーズの顔としてプレーしているカリーだが、もし彼がクリッパーズでデビューしていたらというテーマに基づき、動画、静止画共にクリッパーズのロゴ、ジャージを合成させ、音声も巧みに繋ぎ合わせ、まるでカリーが本当にクリッパーズの一員であったかのようなムービーとなっている。
この動画内ではカリーが1位指名で入団、そしてこの年現実で1位だったブレイク・グリフィンが2位でメンフィス・グリズリーズに指名されている。そして全てがズレを起こし、あらゆるスターが他チームに所属。
クリッパーズはロブシティではなく、JJ・レディック&レイ・アレン、そしてカリーによる “スプラッシュシティ” として認知。カリーはアメリカでも有数の大都市ロサンゼルスを舞台に大スターとしてリーグを席巻。新人王、1試合64得点、リーグには彼の存在により4点ラインが生まれ、アップルやナイキ(リアルでもカリーはアンダーアーマー以前、2013年までナイキと契約していた)の広告塔として人気を博し、更に映画スペースジャム2の主演となる。
リーグ最大のライバルは、キャブズに戻る事なくレイカーズに移籍したレブロン・ジェームズ。そしてレイカーズには本来2012年にレイカーズに移籍するはずだったクリス・ポールが在籍、強烈なワンツーパンチでチームを牽引。プレイオフではLA対決が実現し、カリーは2019年その強敵レイカーズの前に涙を飲む…
と、いう内容だが、あまりの編集力に違和感なくそのストーリーを楽しむ事が出来る。
クリッパーズに入った事により4点ラインが生まれる経緯などはよく分からない所ではあるが、My Next Chapterという題を用いたのがケビン・デュラントではなくレブロンであったり、レイカーズに来季から監督を務めると噂されたティロン・ルーや突如球団社長を辞任したマジック・ジョンソンがいる点などを含め、細かい所に適度な遊び心がありコメントでもそのクオリティの高さが絶賛されている。
「今まで見たNBA動画の中で最高だ。」
「元々この動画を見たいと思っていたやつは全くいないだろう、しかし素晴らしい。」
「これと同じようにケビン・デュラントが1位でブレイザーズから指名されていたバージョンも頼む。」
「このエディターとMAX契約だ。」
かなり真面目な意見としては、カリーはウォリアーズでマーク・ジャクソン監督の元、アウトサイドを伸び伸びと打つスタイルを許容され、彼を中心にチームを組み立てるという方針があったからこそ今ほどの評価を得られたとの声もある。そして恐らくそれは正論だろう。ジャクソンHCからスティーブ・カーHC、二人共にカリーの強みを理解し、現在のウォリアーズを築き上げたからこそのステフィン・カリーだ。
だが、実際にクリッパーズに指名されていたらどうなったのか、それは起こっていない以上誰にも分からない。そしてこの動画内で見られた光景もあながち的外れとも言えないのかもしれない。
明日にはNBAドラフト2019が控えているが、ここからどんなドラマが生まれていくのか。そして我らが八村塁はどのチームのユニフォームに袖を通す運命が待っているのか。
あらゆる現実が考えられるこの世だが、少なくとも我々が今いる世界線は間違いなく面白い、これは断言出来るだろう。
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