デリック・ジョーンズJr.がダンク王者に輝く、NBAダンクコンテスト2020全体を振り返っての感想

2020年02月16日
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今年も一年で最も楽しみにしているイベント、NBAダンクコンテストがやって来た。

そして、その内容は最高だった。

 

最後のジャッジを除いては。

 

今年のダンクコンテスト出場者は、ドワイト・ハワード、デリック・ジョーンズJr.、パット・カナトン、アーロン・ゴードンの4名。大方の予想では高難易度を決める能力があり近年ダンクコンテストの出場経験があるデリック・ジョーンズJr.とアーロン・ゴードンの二人になるだろうと思われていた。

そして審査員は会場がシカゴという事もあり地元出身のドウェイン・ウェイドとラッパーのコモン、シカゴ・ブルズの永久欠番、スコッティ・ピッペン、更にWNBAのレジェンドであり高校時代にはマクドナルドオールアメリカンのダンクコンテストに出場しジョシュ・スミスやJR・スミスを破って王者に輝いたキャンデース・パーカー、そしてブラックパンサーで御馴染みの俳優チャドウィック・ボーズマンの5名となった。

▼ ダンクコンテスト2020 フルハイライト ▼

 

それでは今年も一投目から分析を始めていこう。

まず最初の試技者はドワイト・ハワード。出場者の中で最高齢の34歳だが、今でも高い跳躍力を誇りなおかつ2000年代の出場で独創性のあるダンクを披露していただけに注目度が高いダンカーだ。

彼が最初に披露したのは、空中で両手を広げ一度止まるモーションを入れてのリバース360。かなり身体能力が高くなければ出来ない技ではあるが、一度ミス+見た目の派手さに欠け、彼ならではのパワーも鳴りを潜めたからか点数は伸びず41点。止まった瞬間のハワードスマイルが爆発している所が彼らしく加点してあげたい所だが、そこは審査員には伝わらなかったようだ(笑)

 

続いて登場したのはデリック・ジョーンズJr.、現地時間での今日は彼の誕生日だった事もあり一投目の前にバースデイケーキが用意されたが、バースデイを祝う一投目としては上々だった。

チームメイトでありスキルズチャレンジで優勝をしていたバム・アデバヨを直立させ、彼を跳び越えながらのワンハンドウィンドミル。片手ホールドだったが、ゆりかごスタイルで完全に手首にボールを包み込むのではなく手に乗せた形で旋回(一瞬ちょっとボールが浮いた)して叩き込んだのは難易度高め。アデバヨの立ち位置も遠く高得点が狙えたダンクだったが、一度ミスをしてしたのが響いたのか46点。もしかしたら右手でアデバヨの肩をリフトしたのも減点に影響したかもしれない。

 

そして今回のダンクコンテストでダークホース的存在のパット・カナトン。ドラフトコンバインで112cm(44インチ)の跳躍を記録しただけあって身体能力は抜群。

彼が披露したのは、バックスのレジェンド、カリーム・アブドゥル・ジャバーのユニフォームを着たMLBのミルウォーキー・ブルワーズに所属するクリスチャン・イェリッチにボールを抱えてもらい、跳び越えながら両手でフィニッシュするダンク。このダンクのポイントは彼が映画White Man Can’t Jump(邦題ハード・プレイ)に登場するビリーの格好で決めた事、自身が白人であるため白人でも高く跳べる事をアピールする良ネタとなった。

見事一発で成功させたがダンク自体はシンプルであったため、点数は45点。

 

最後に登場したのは2016に素晴らしいパフォーマンスを見せながらザック・ラビーンに敗退、そして翌年に再度出場したものの直前に足を怪我していた影響もあったのか不完全燃焼に終わり予選敗退となっていたアーロン・ゴードン。3度目の正直となる今回は何としても優勝したい所だが、幸先の良いスタートを切った。

得意の左右からの両足踏切で、外側から股下を通し両手でのリバースダンク。全く同スタイルで決めた選手はNBAのダンクコンテストにはおらずインパクトも抜群。1度ミスはしたものの、2度目で成功させ50点満点を叩き出した。

 

予選二投目は、一投目の点数が低かった順からとなり、41点だったハワードが再び登場。

前回の記事でも書いた通りだが、やはり披露できない可能性がある決勝ではなく予選二投目でスーパーマンネタを用意。そのダンクは2008年の予選2投目で披露した伝説の一発を再現するものだった。元々コービーがヘルプ役として出る予定だったらしいが、訃報があったためアイディアの変更を余儀なくされたであろうハワード。金色のコービーサイン入りボール、更に24番のナンバー入りのスーパーマンコスチュームを着用。そしてアシスト役は2008年と同じジャミール・ネルソン、正面から踏み切り、両手キャッチから片手で叩き込んだ。2008年よりは高さが落ち投げ込む形ではなかったが、一発で迫力あるトマホークに成功。採点は49点となった。

 

続いて一投目で3位だったカナトン。

彼が見せたのはチームメイトのヤニス・アデトクンボに頭上でボールを保持してもらい、開脚で跳び越えながらキャッチ、そしてボードに一度当ててから両手で叩き込むというNBA初見のクリエイティブなダンクだった。2度ダンクに行く手前でミスをしたが、減点はなく見事50点満点を獲得。複雑な高難易度ではなく純粋に自慢の跳躍力を生かしたグッドチョイスな一発だったと言えるだろう。

 

そしてジョーンズJr.。

高難易度な技を得意とする彼の二投目は、リバース360でのBTL(Between the legs)。慎重になる様子もなく、出てくるや否やあっさりと決めてみせた。このダンクはデニス・スミスJr、そしてポール・ジョージが過去に披露していたが、両者とも股を通した後のダンク自体は叩き込むのではなく置いてくる形になってしまっていた(DSJは満点だったが)。しかしジョーンズは回転から股を通す動作&フィニッシュまで余裕が感じられ、肝心のダンクも勢いを失わず腕を振り切って決めた文句なしの満点ダンクとなった。

これで彼の予選の得点は96点、ハワードとカナトンを上回り決勝進出が決定した。

 

最後に決勝進出に46点が必要となったゴードンが登場。

コートサイドにいたシカゴ出身のチャンス・ザ・ラッパーをアシスト役として呼び頭上でボールを保持、そして彼を跳び越えながらボールをキャッチ、空中でリバース反転しフィニッシュをワンハンドで決めた。跳び越え系でもNBAでは初見の技で見栄えも抜群、またしても50点満点。予選を100点のパーフェクトで決勝に駒を進めた。

 

 

決勝は優勝候補に挙げられていた二人、デリック・ジョーンズJr.とアーロン・ゴードンが順調に進出する形となった。お互い2017で合間見えたものの共に優勝を逃していた者同士、白熱の展開が期待された。

最初の試技者は予選で2位だったジョーンズ、彼の一投目はフープ前に二人(一人はプロダンクチームのTeam Flight Brothersの代表、チャールズ・ミラン。もう一人もその関係者だと思う)を直立させてのキャッチ&股通し。一発成功かつ高さ、パワー、共に非の打ち所がなく満点。2017では決勝の一投目で三人を並べミス、最終的に二人にしたが決めきれず涙を呑んでいた一本だったが、今回は見事に一発で決めてみせた。

 

続いてゴードンの出番だ。再びチャンスを引き連れボールを頭上で保持させ、今度は予選で見せた一本とは逆方向の順回転で跳び越え、360を決める初見技を披露した。これも難易度が高い技だが、見事に一発で決め満点。予選と似たスタイルではあったが、減点する審査員はいなかった。ちなみにあのTikTokダンサー達の存在は一体なんだったのか、と首を傾げたのは私だけではないだろう。

 

お互いに50点満点という最高のスタートで始まった決勝戦、ここから彼らのギアは更に上がっていく。

ジョーンズは再びミランをアシスト役で起用、ボードに当ててもらったボールを股通しでフィニッシュ、しかもミランの頭上を越えながら決める大技だった。ボードに正面から当てながらのBTLはジェイソン・リチャードソンやケネス・ファリードが披露していたが、人を跳び越えるスタイルはNBA初。またしても文句なしの満点。これで決勝のスコアは100点となり、この時点での負けは無くなった。

 

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絶対に満点を出さなければならないゴードン。相当なプレッシャーが生まれていたはずだが、ここでなんと本日のBESTダンクと呼びたい一発が飛び出した。

チームメイトのマーケル・フルツがアシストとして登場、そしてボードの横に当てながらのスクープ360。一度ダンクをミスしたが、二度目で見事成功。あまりの大技に会場は大盛り上がり、もちろんNBAでは初見だ。ちなみにNBA外では過去に現在オクラホマシティ・サンダーに所属しているテレンス・ファーガソンが片足跳びでこの技を成功させていた。

ボードの横に当てるため跳ね返る角度が読み辛い、それを片手のみでキャッチしながら360。空中での姿勢も乱れず誰もが唸るであろう至高の一撃、これをこの大舞台で決めきったのは見事としか言いようがない。納得の満点、そして多くのダンクファンがこのコンテストにおいてのBESTダンクと挙げるであろう一本となった。

これでゴードンも100点となり、2016年以来となる延長戦に突入。

 

ジョーンズの延長一投目は、2017の予選で披露したボード横に当てながらのBTL。前回と同様に今回も一発で決めてみせ再び50点。

満点のオンパレードとなったが、ゴードンも続く。彼もジョーンズ同様過去に披露したダンクで勝負、2016の予選で見せた跳び越え&BTLを決めた、そして満点。この延長一投目はジョーンズ、ゴードン共に満点まで届かない可能性もあった気はするが、両者共に50。まだ勝負は続く。

 

ジョーンズの延長二投目は、フリースローラインの若干内側から片足跳びで踏み切ってのウィンドミル。2016にラビーンが決勝二投目で見せたダンクでありジョーンズも学生時代に披露していた得意技だ。今回は距離が少し近かったが、ウィンドミルの角度は大きくインパクトのある一発であった。再び満点かと思われたが、ここで出た点数は48。

 

48点は高得点とはいえ、これまで全てパーフェクトを叩き出しているゴードンが有利と思われる展開になった。ここでネタに困っていた彼はシャックを含め周囲と相談。そして最終的に近くで観戦していた現役NBAプレイヤー最高身長のタッコ・フォールが登場。靴を履かずに226cm、靴ありで229cmあると言われる彼を飛び越えれば満点は間違いないだろう。

このビックリダンクにトライしたゴードン、見事一発で決め会場は大盛り上がり。タッコの頭が少し引っかかる形になったが、インパクトは50点満点の一発だった。

 

しかし、審査員達が出した得点は…

47点。

会場は騒然&ブーイング、完全にゴードンが勝利の空気となっていたが、またしても彼は優勝に届かず無念の敗退となった。

 

と、全体の流れを振り返ったが、私は今回のコンテストは最高の内容だったと思う。そこは全く否定出来る余地がない。

そして、最後の採点が本当に審査員が心の底からそう判断した結果だったのならば致し方ない。デリック・ジョーンズJr.のダンクは間違いなく優勝に値する素晴らしいダンクだった。

しかし、そうではなかった事がイベント後に明らかになった。

審査員の一人であったコモンが最後のゴードンのダンクは審査員間で打ち合わせがあり、意図的に同点(48点)にする話があったと発言した。更に誰かは分からないが、それに従わなかった者が一人いると語ったのだ。コモンと共に10点を出していたパーカーも同じくその予定だった事を言及した。

 

では、誰があえて予定とは異なる得点を出したのか。そこで炎上の矛先となっているのが、ウェイドだ。彼は優勝者のジョーンズと元チームメイトであり、彼が所属するマイアミ・ヒートのレジェンドだ。彼ならジョーンズに贔屓してあえて9点を出したと思われてもおかしくはない。

が、彼は後のインタビューで「9点を出したのは俺だけではない」と発言。48点にする予定であれば最低二人は9点を出すはずなので、それがピッペンとボーズマンであったのなら9点でおかしくはない。そしてウェイドが計画を無視した証拠として突きつけられているのが、最後の採点シーンでの彼の行動である。

審査員の他4人はスコアが表示されるのを待ち、画面を見ていたが、ウェイドのみが既に横を向きイヤホンを外していたのだ。そこで完全にコンテストが終わりとは決まっていなかったので、採点が出るまでは結果が分からないはずだった。しかしイヤホンを外しもう決着はついたかのような行動、確かに疑わしい。更になぜか笑顔だ。

そして採点結果が出た後だが、ボーズマンとパーカーは驚きの仕草で仰け反り、ピッペンは即ウェイドに視線を向けた。続けてコモンもウェイドを見たのだ。ウェイドは笑顔のまま他の誰かを見ることはなかった。

この流れを見ると、ウェイドは確かに怪しい。

審査員たちはあえて同点にした上で、次のダンクに移行する可能性はあったが、審査員の投票にする流れへと持っていき、そこで改めて勝者を決めようとしたらしい。

以上の流れを説明した上で、私が言いたいのは「ウェイドは裏切り者だ、ダンクコンテストを台無しにした。」という事ではない。

なぜ審査員が打ち合わせをしたのか、なぜゴードンのダンクそのものを純粋に一人一人が採点しなかったのか、これだ。

あえて口裏を合わせるような事をして予定通りに行かず、勝敗が決まる、こんな事があってはならない。本気で最高のパフォーマンスを見せたダンカー達が本当に可哀想だ。

誰かが約束を守らなかった事以前に、同点にして投票に持ち込もうという話があった事自体がおかしい。それで素晴らしいダンクを見せた両者が優勝になるのならまだしも、最終的に勝者は一人だ。

なぜ一人一人がゴードンのダンクを素直に審査し、採点をしなかったのか、そこに対して私は憤慨している。

今回のダンクコンテストは2016に勝るとも劣らない本当に最高のものだったと思う。しかしその結果がこれではガッカリするのも当然ではないだろうか。

私は審査員5人それぞれが自分の視点で点数を出し、ジョーンズが勝ったという結果なら大いにとまでは言い切れないが納得は出来ていた。彼のダンクもゴードン同様に素晴らしかったのは紛れもない事実だからだ。

 

今回の件を受けて決勝は全てを総括して投票制にすれば良いという意見も見かけたが、2008〜2013まではテキストメッセージを使ったファン投票であったりと色々と工夫を重ねてきていたのがNBAダンクコンテストだ。再び審査員5人の採点に戻ったのもなんらかの理由があるのだろう。私も完全に誰もが納得できる方式に変えるというのが難しいのは理解している。ただ一つだけ言いたいのは、ジャッジする側に不正がある事は絶対にあってはならない。それだけは断言できる。

コンテスト後、ゴードンは記者会見でこれから先再びダンクコンテストに出場する事はないと発言した。本当なら俺は2度トロフィーを獲得していたはずだ、と。その気持ちはよく分かる。逆にジョーンズはこれからもまた出場したいと意欲を見せた。彼にとってもNBAのダンクコンテスト王者になる事は長年の夢であった、そしてまた参戦出来るなら自慢のダンクを披露したい。それは素晴らしい事だ。

 

さて… ネガティブな話はここまでにして、最後は思いっきりポジティブに今回のダンクコンテストを総括したいと思う。

ハワードは34歳という高齢ながらスーパーマン再現を含めた素晴らしいダンクを決め、カナトンは出場が決まった際に「ラビーンが良かった」と文句を言われながらも見事に高得点を叩き出した。今ではカナトンじゃなければ良かったと思うNBAファンは一人もいないだろう。

そしてゴードンはあの2016の最高のパフォーマンスから4年経った今でも変わらない、むしろ進化したと言っても良いレベルのダンクを決めてみせた。NBA選手はバスケットボールプレイヤーであり、ダンク、そしてジャンプ力の維持が最優先ではない。そんな中厳しいシーズンを戦い抜きながらコンテストに3度出場、改めてクオリティの高いダンクを見せたくれた事を大いにリスペクトしたい。

最後に2017で得意ダンクを失敗し涙を呑んだあれから2年、今回は予選の一投目以外は全て一発成功と見事にその真の実力を証明してくれた。股を通しすぎるという意見もあるが、あれが彼の得意技でありバリエーションを変えながら大舞台で次々と決めた事は本当に素晴らしい、更に最後の一発は本来両足跳びが得意ではあるが片足で飛距離を出した一発。ダンカーとしてのフレキシブルさを感じさせ個人的には嬉しい締めくくりであった。

つまり、今回のダンクコンテストは最高の内容だった。最後のジャッジに関しては結果ではなく過程に不満はあるが、これをきっかけに再びより良いコンテストに繋がっていく事を期待したい。

惜しくも優勝に届かなかったアーロン・ゴードン、今まで本当にありがとう。トロフィーという形としては残っていないが、彼がこれまでのダンクコンテストにおいて優れた勝者であった事は我々ファンがよく分かっているはずだ。彼が引き続きインゲームダンカーとして進化して行く事を願って止まない。

そして、デリック・ジョーンズJr. 。

ハッピーバースデイ!NBAダンクコンテスト初優勝、本当におめでとう!!!!!!

 

来年のダンクコンテストも今から待ちきれない。

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About cata.

cata.
96-97シーズンよりNBAを見始め、それがきっかけで中学からバスケを始める。高校ではNBAファンサイトを運営。大学から渡米し7年滞在後に帰国。2015年からツイッターでNBA情報発信を始める。レブロンと同い年の会社員。

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One comment

  1. 引きこもりのモブAおばさん

    はじめまして。いつもTwitterやYouTubeでcataさんの投稿を楽しみにしているモブAおばさんです。
    今年のダンクコンテスト、審判の話を抜けば凄かったですよね!

    もし可能ならdunkmanyoshiさんとYouTubeで今年のダンクコンテストの感想とかコラボしていただけませんか!!どちらかと言うと私はロングショットに魅力を感じていて、最近やっとダンクの奥深さを知ったのでダンク好きのお二人のマニアックな会話がとても聞きたいです!

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