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ウエストブルックが3種類のステップで雷ダンクを炸裂、全てのステップを分析してみた

2016年01月20日
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本日行われましたサンダー対ナゲッツで複数のステップを器用につかいこなす、正にフレキシブルックなダンカーであるラッセルウエストブルックが大暴れしてくれました。

38分の出場で27点12アシストのダブルダブルとサンダーの勝利に貢献したウエストブルックですが、何と言っても特筆すべきは第2クォーターと第4クォーターに叩き込んだ三発のスラム。


 
まず第2Qにはデュラントのスクリーンからハリスを抜き去り、目にも止まらぬスピードから左足の片足跳びでダンク、彼らしい高速ペネトレイトからのトマホークでした。

続く二本目は試合も終盤に差し掛かった第4クォーター残り3分、右サイドから今度はアダムスのスクリーンでフリーになり右左の両足跳びでワンハンドサンダースラム。

そして残り2分を切った所で見せたのがデュラントからのパスによる左右の両足跳びでのボースハンドアリウープ、高さも十分の迫力ある一発でした。

単純に三発のモンスタースラムとまとめてしまえばそれまでなんですが、なぜ今回私があえて記事として取り上げたかと言いますと、一試合で3種類の異なるステップでダンクを決める、しかもそれらが全て迫力満点というのは非常に珍しいケースだからです。

過去に記事として取り上げたのでご存知の方は多いかもしれませんが、ほとんどのダンカーが両足跳びで跳躍する場合は右左、もしくは左右のどちらか一方に偏りますし、片足跳びが得意な選手は両足跳びだと迫力不足になってしまうダンカーが少なくありません。

片足跳びは全てのバスケプレイヤーがレイアップなどの動作で行いますので、右利きであれば左足踏切で普通に跳べると思いますが、両足跳びとなりますと得意不得意がかなり分かれ、なおかつ右左、左右の両方で高い跳躍をするダンカーはかなり珍しいんですね。

一試合で片足跳びのダンク一本、そして左右、もしくは右左の両足跳びのダンク一本を決めるダンカーは頻繁に見られますが、両足跳びも両方のステップで一本ずつ、となると極端に減ります。

まず条件として両足跳びが右左、左右両方を得意とするダンカーである事が必要条件となってきます、そうでないとどの体勢、位置でもらっても身体に染み付いた得意ステップで踏み切るようになってしまい両足跳びのダンクは右左、左右どちらか一方しか決める事が出来ません。

ウエストブルックのように右左、左右両方変わらず使う事が出来、右から切れ込んだら左右、左からなら右左と常に進行方向に沿ったステップでダンクが出来る、なおかつ片足跳びのダンクも得意というタイプのダンカーならではの話になって来るわけですね。

しかもそれが全て右腕を引いてのトマホークですから、ウエストブルックのダンカーとしての素質、身体能力はとてつもありません。

そして通常のダンクであれば利き腕をフープの方向に伸ばし、なるべくフープに近い位置に持って行きダンクする体勢が多いと思う(ダンカンが素晴らしく良い例)のですが、ウエストブルックはペネトレイト後のダンクは全て後方に引いた動作から叩き込んでるので、正に全てのステップにおいて空中でのボディバランスを整える事が出来る優れたスキルと身体を持っていると言えるでしょう。

 

そして実はウエストブルックは過去に右足踏切の片足跳びからの左手ダンクも決めているんですが、やはり高い。しかも左手も非常にスムーズでモーションが洗練されています、破壊的な右手ダンクとはまた違った魅力を感じます。

決めた後に左手を見つめる仕草が可愛いですね(笑)試合後のインタビューでは、「試合中に初めて左手でダンクを決めた」と発言していますが、それにしては見事すぎる一発です。

 
彼なら一試合に4ステップ全て使ってのパーフェクトステップダンク試合を達成してくれるかもしれません、ただ仮にやったとしても今日のようにハイライトとしてまとまってくれないと発見が難しいので、決めるなら全てど迫力でお願いしたいですね(笑)
 

ちなみにウエストブルック以外でそれを達成可能だったと一番思えるのは過去記事でも何回か名前を挙げていますが、やはりコービー

彼はダンクにおけるステップの天才で、片足跳びも左足だけに止まらず右足でもリバースを決めたりと多彩でした。

こちらは私が年末に実家に帰省した時にVHS直撮りして録画してきた二年目のコービーのダンクなのですが、右足で踏み切り空中で体勢を立て直して容赦なく叩き込んでいます、この映像は恐らくどこにも上がっていないのでかなりレアな一本だと思います。

 

バスケ経験者の方なら何となく分かるかと思いますが、右足で踏み切った場合、どうしても右手を上げながら左足が上がる格好になるので身体にひねりの動作が生まれバランスが取りにくく、むしろ一度空中で左にボールを振りその間に空中で通常通りのレイアップの体勢に身体を戻し、右足が上がり気味になる姿勢からのダブルクラッチの方がやりやすい方は多いと思います。

その良い例であるのが、現キャブスのJRスミスのこちらのダンクです、彼は右利きですが利き足が右なのでこのクラッチを入れた後の右手ダンクを得意としています。


 
2009年のダンクコンテストでも2バウンドから披露していますね。


 

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更にこれをそのまま逆の形に当てはめますと、レブロンが先日やったような左手ウィンドミルとなります。利き足の左足で踏み切って右に振ってから左手、レブロンは利き足が通常の右利きと同じ左足で、なおかつ球技以外は左利きと左手の扱いには普通の右利きより慣れているのでこのダンクを得意としているのでしょう。


 
2012年の祭典でも見せていましたね。


 

先ほどあげましたコービーのダンクは、右足で踏み切った後に空中で左足が下がり左足で踏み切った体勢とほぼ同じになるようにバランスを整えてから右手で叩き込んでいます、つまり↑であげた動作を極端なクラッチを入れずにストレートで跳びながらコントロール出来ているわけです、この動作をダンクで行うというのは相当な難易度です。
 
ちなみにJRスミスは同種のダンクで低い位置から救いあげならのアリウープをこなしていますが、アリウープですと両手がフリーなので逆に跳ぶ際の制限がないため空中でバランスは整えやすいという利点があります。

 
このJRスミスのダンクも他に例があまり無い凄技ではありますが、やはり利き足が右だからこそ得意とする技と言えます、しかしコービーはボールを保持したまま通常の右利きと同じ本来の利き足は「左足」であるにも関わらず「右足」で決めている点が凄まじいです… 不格好で良ければ他のプレイヤーも決める事は出来るでしょうが、逆足でコービー程のスタイルを確立出来るダンカーはまずいません。
 

以上の事から、コービーは両足跳びも右左、左右満遍なく使いこなしますし、片足跳びも左右跳べるので歴代最高の多彩さを持ったダンカーだったと言えるでしょう。

そしてウエストブルックは右足踏切でのダンクの頻度は少ないものの、コービー同様4種類のステップを使いこなしつつ迫力がありまくるダンクを決めれるダンカー筆頭にあげさせて頂きたいと思います。
 

なおウエストブルック以外の現役選手ですと、何気に昨年ダンクコンテスト優勝者のザックラビーンが有力だったりします、ダンクコンテストのパフォーマンスがそうであったように典型的な片足跳びダンカーと見せかけて、実は両足跳びも両方のステップで高いと私的に非常に評価が高いです。
 
アンドレミラーからのアリウープで右左ステップのボースハンド。


 
そしてこちらもアンドレミラーからタッチダウンパスを左右ステップでアリウープ。


 
ついでに紹介したいのが、ルーキーシーズンダンク集、左足の片足跳びが目立ちますが、50秒のダンクなど右足跳びでもダンクをしています。3分20秒には左手プットバックも決めています。


 
ラビーンは今シーズンも是非ダンクコンテストに出て欲しいですね、そしてめちゃくちゃ難易度は高いですが、いずれ試技の4本全てで別ステップを使って優勝するダンカーが現れる事を期待しまくりたいです。

片足跳びの場合コンテストであえてわざわざ利き足と逆の足で跳ぶ理由がないというのはさておき、私の追い求める究極ダンカーの理想形がソコにあると勝手に妄想したりしています。
 

ちなみに高校時代のカーターや97年のコービーは右足の片足跳び以外の3ステップを使って優勝しております。

 

コービーはゲームタイムのウィンドミルを見る限りでは左右の方が得意なのに、コンテストでは外れはしたものの右左でウィンドミルしてる辺り流石です、どちらで跳んでもクオリティに差が出ないという証と取れますね。
 

左手でも普通にウィンドミルしてますしね、恐らく右左で踏み切った左手ウィンドミルも普通にこなせるでしょう、コービーはもう七色ダンカーとか名付けたいレベルです。
 

というわけで、今回もかなりマニアックな記事となったかもしれませんが、このブログを訪れている読者はそこに痺れる憧れ〜はしないけどとりあえず興味あるぅな方々だと信じております。

ちなみに今回のトップ画は、左の画像が左右の両足跳び踏み切り、正面が左の片足跳び、右が右左の両足跳びと分けました、ステップを意識してダンクを見ていますとダンク画像を見た瞬間にどのステップで跳んだダンクなのか識別出来るようになって面白いと感じるかは知りません(ぇ

それでは、先日ツイッターの方でこのブログのおかげで踏切足について詳しくなりましたとコメント頂いてテンション上がったワタシでした。

おやすみなさい。

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About cata.

cata.
96-97シーズンよりNBAを見始め、それがきっかけで中学からバスケを始める。高校ではNBAファンサイトを運営。大学から渡米し7年滞在後に帰国。2015年からツイッターでNBA情報発信を始める。レブロンと同い年の会社員。

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2 comments

  1. ダンクシュートって言っても踏切一つで形や難易度も大きく変わるものですね~
    ガードでありながら全種類の踏切を使えるウェストブルックはやばいですね!(笑)

    利き足左の自分からすると右足でどうやってあんなに飛ぶのか教えてもらいたですね(笑)
    そしていつかダンクしてみたいです….(ちなみにリング掴むのが限界でしたw)

    • 全種類踏切を使えるという意味では、むしろガードの方が有利かもしれません。
      センタープレイヤーなどはフープに近い位置でプレイするため、助走つけての片足跳びが苦手なプレイヤーが多いので。

      逆足はとことん練習あるのみですね、感覚を養いまくるしかないと思います。
      ダンクは鍛えれば誰でも出来るものではないですが、トレーニングによって出来るようになった方も多いので是非zumiさんも頑張って下さい。

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