カーター程古巣に嫌われるプレイヤーはいないのかもしれない。
それと同時に、カーター程古巣に愛されているプレイヤーもいないのかもしれない。
先日19日のエアカナダセンターでのラプターズ対グリズリーズ戦、カーターにとってとても大きな出来事が起こりました。
今年はラプターズが創設されて丁度20周年目なのですが、それを記念して何と試合の途中でカーターのトリビュートビデオが上映されたのです。
ラプターズを通してトロントでのバスケ人気を開拓したビンスカーター、しかし過去記事にも書きましたがラプターズのファンからは裏切り者のレッテルを貼られるヒール役となってしまいました。
エアカナダセンターを訪れる度に鳴り止まないブーイング、カーターもそれをモチベーションに変えてプレーしているとは言っていましたが、やはり心のどこかで自分のキャリアをスタートさせた土地で歓迎されないというのはとてももどかしく、心苦しい感情があった事でしょう。
しかし、今回このビデオが流された事により、ラプターズにとってカーターの存在がどれだけ大きかったものか、そしてファンもそれを何より分かっていた事が証明されました。
ビデオが流れた後、カーターの目には涙が浮かんでいました、そして始めはブーイングが始まったものの徐々にエアカナダセンターでは約10年もの間見られる事の無かったカーターに対しての純粋な拍手に変わり、そしてスタンディングオベーション。
小セレモニーの後、解説者が「ビンスカーターがトロントに来た事により、キッズがバスケットボールをプレーするのを見かけるようになった、家にフープが設置されている光景が多く見られるようになった」と言っていました。
カーターはラプターズの歴史だけでなく、カナダのバスケットボールの歴史そのものを塗り替えたと言っても良いかもしれません。
この試合中、カーターがボールを持つとやはりブーイングは聞こえていましたが、それは今までのブーイングとはまた違った意味で捉えられる気がします。
「またラプターズのビンスカーターが見たいぞー、ラプターズ以外のジャージを着て活躍するカーターは見たく無いぞー」
私にはそんな風にも聞こえて来ます。
- ブログランキングに参加しています、記事に価値を感じましたら下のバナーを応援クリックお願いいたします。 -