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愛と憎しみの混在: ビンスカーター in トロント

2014年02月05日
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こんにちは。NBAはオールスターが近づいて来ましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

昨日の事なんですがyoutubeで動画を漁ってました所、

こんなドキュメンタリーを発見しました。

その内容は、カーターのキャリアを語る上でとても重要となるトロントラプターズとの関係について。

ご存知の方も多いかと思いますが、カーターはトロントラプターズで98-99シーズン、NBAキャリアをスタートさせました。

それまではラプターズ自体とても歴史の浅いチームだったので、カーターがトロントにおいてのバスケの歴史を開拓したと言っても過言ではありません。

デビュー以来毎試合炸裂する華麗かつパワフルなダンク、カリスマ性、ロックアウトで短縮されたシーズンでしたが新人王を獲得し、翌年2000年には伝説となったスラムダンクコンテストにおいてのパフォーマンス。

トロントラプターズがNBAで注目されるチームの一つとなったのは、まぎれも無くこのビンスカーターの存在があったから、そしてそれは

みんなトロントラプターズが見たいのではなく、

ビンスカーターが見たい。

心境だったのが事実でしょう、ラプターズはビンス無しでは誰も注目しなかった。

そう考えますと、当時の地元トロントの方達のビンスカーターに対する愛というものは相当なものだったと思います。

そして彼らはビンスカーターが導くトロントラプターズの未来を大いに期待したでしょう。

2001年にはカンファレンスセミファイナルで76ersと対戦。しかしその運命を分ける第7戦、カーターは丁度大学の卒業式が重なる事になってしまったため、第7戦の重要性を分かっていながらも卒業式に出席する事を決めたのです。

その結果、恐らく移動の疲労が残ったまま試合に出場。

神の悪戯か、試合は終始接戦、最後の最後に逆転ゲームウィナーの可能性を託されたカーターでしたが、彼が放ったジャンパーはリムを弾いてラプターズのシーズンは終わりを告げました。

もしかしたらこの時点で、ラプターズファンはカーターへのトロントラプターズに対する忠誠心に対し疑いを持ち始めていたのかもしれません。

その試合後にカーターは卒業式を優先した事が試合のパフォーマンスに響いたのではないかとメディアに問いただされることになりましたが、それは母と交わした大学の卒業式はちゃんと出るようにとするという約束を果たしたまで、またチームメイトにも説明し全員が了解してくれたと語り後悔はない様子を見せていました。

カーター自身インタビューで言っていましたが、

「あのラストショットを決めていれば、誰もその質問はしないだろう。」

と、恐らくそうでしょう。

やはり勝負の世界では、結果が全てであり、負けてしまった事によりカーターは敗因の最大要素としてその一件を引きずることになってしまったのです。

そして、ラプターズファンとしてはラプターズの勝利よりも個人の都合を優先したと捉えてしまった方がいてもそれはそれで仕方の無い事かもしれません。

それ以降はカーターの怪我も響き、(一時カーターがいない時に連勝を重ねたりカーター不要説も囁かれたりはしましたが)ラプターズは再び優勝争いとは程遠いチームになっていきました。

ついでカーターとフロントの確執。

これはあまり表に出て来ていないようですが、当時カーターはラプターズの中心選手として活躍していましたから、実はフロント陣はチームが大きく動く時など重要な決定事項がある時はカーターの意向も尊重するという話があったようなのです。

それでカーターはドクターJことジュリアスアービングをフロントの一員として入れて欲しいなどの要望を挙げていたそうなんですが、全く検討もされずに話が進んでいたようで、コーチもカーター在籍時に三度入れ替わるなど彼としてはラプターズでプレーを続けるだけのモチベーションがどんどん削がれて行ったようです。

そしてラプターズで過ごした最後のシーズン、怪我とプレータイムの影響はあれどそれまで一試合の平均得点が過去常に20点を越えていたカーターが15点、明らかに精彩を欠いたプレーを続けていたカーターに対してラプターズはトレードする事を決意、ニュージャージネッツへトレードされる事になったのです。

ちなみにトレードに関しては、ラプターズのフロントへの不信感を拭いきれないカーターがトレードしてくれと打診していたようなんですが、カーター自身はインタビューでトレードの話が挙がった時に「最初は何かのジョークかと思った。」っと言っていたり、その辺カーター自身本当にトレードを望んでいたのかどうかは曖昧ですが、当時の事を考えるとトレードは妥当であり、チームにとってもカーターにとっても行き着く先はそこと言えたと思います。

カーターがトロントラプターズを良いチームに、ラプターズで勝ち上がりたいと言う気持ちはあったのは当然かと思いますが、フロントとは大分もめたようなので、それが直接プレーに現れてしまったのかもしれません。

それが当時インタビューで「自分は今本気でプレーしていない」といった発言をした問題に繋がったのでしょう。

ラプターズファンとしては、一連の流れから「カーターはラプターズに見切りをつけた」と思ったと同時にこの発言により、チームの一員であるにも関わらず「最善の努力をしていない」と自ら認めてしまった事に対して怒りが爆発したのだと思います。

その裏にはもちろんカーターに対する愛があったのは事実でしょう、トロントファンみんながカーターのプレーを見るためにエアカナダセンターに足を運び、応援していたわけですので、そのカーターがファンの前で本気でプレーしていないと分かったらそれは憤慨すると思います。

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それを象徴するかのようにネッツ移籍後の一試合平均得点は何と27.5点(PGが当時リーグのベストPGと呼び名高かったキッドになったのも原因の一つではある)。

このスタッツを見ればラプターズ在籍時とネッツ移籍後のモチベーションの差は一目瞭然。

それ以来カーターがエアカナダセンターに来ると、ボールを持つ度に激しいブーイングが鳴り響くようになってしまいました。

カーターはこのブーイング問題に関して自身散々インタビューはされてますが、カーターとしては「ブーイングするのはまだ自分を思っていてくれる証拠、それはそれでエキサイト出来る」と言ってますし、エアカナダセンターそしてラプターズは自分のキャリアをスタートさせたホームだから特別な場所であると堂々と発言しています。

3年前にレブロンがキャブスを去った時もファンの怒りは相当なものでしたが、今ではキャブスのホームに戻って来た時に以前のような過度なブーイングは聞こえなくなりました。

しかし、ラプターズのカーターに対するブーイングは約10年経った今も継続しています、もうエアカナダセンターの伝統になってるとも言えるぐらいの徹底したカーターに対するブーイング。

もしかしたらラプターズファンの心境としては、カーターを嫌っているというのはそれは事実であると思いますが、ここまで徹底してブーイングするとブーイングする事がカーターに対する礼儀のようなそんな流れが出来てしまっているのではないかという気も起こって来ます。

あるラプターズファンがエアカナダセンターに観戦に行った際、カーターの背景、どういった選手かなどを知らなそうな小さな子供がみんなと一緒にカーターにブーイングしているのを見た時はとても悲しかったとコメントしていました。

アメリカではブーイングは良い意味、なんても言われたりしますが、それでもブーイングはブーイングである事には変わりないでしょう。

カーターのキャリアを語る上でこの件は常に付いて回っていますが、何とも複雑な状況になってしまったものです。

カーターが過去にラプターズ在籍時に先ほどあげたような行動の事実はあったとしても、カーターがラプターズにもたらしたものというのは計り知れません。

それを差し置いて未だにカーターがボールを持つ度にブーイングというのは決して褒められた事ではないと思います。

こちらは先日の試合ですが、カーターがボールを持つと同時にブーイングが飛び交っています。

しかし、カーターがかつてのようにエアカナダセンターで激しくダンクを決めてくれると歓声があがる辺り、

love hate relationship

の典型ですね。

憎しみの影にどれだけの愛が隠れているのかと思います、10年経った今も変わらないブーイング。

近年カーターも引退の年が近づいていますから、最後の年はラプターズに戻ってそこでキャリアを終えるべきか、とか、ラプターズの永久欠番に、とか話は挙がっていますが、そういった話が挙がるぐらい

トロントラプターズのビンスカーター

という存在はとてつもなく大きいものだったと再認識させられます。

私にとってもトロントラプターズのビンスカーターは、NBAにおいて唯一無二の存在でした、後にも先にもあれ程夢中になれるプレイヤー、状況は出ない気がしています。

なぜなら当時のラプターズのパープルを基調としたジャージは一番かっこいいデザインと思ってましたから、一番好きな選手が一番好きなジャージで試合に出てるのはたまりませんでした。

あの時はそういう意味でラプターズも大好きでした、しかしカーターが去った後はラプターズの勝敗は全然気にしませんでしたから、やはりカーターあってのラプターズでした。

敵チームに所属してからもエアカナダセンターに来る度に伝説のパフォーマンスを残しファンを楽しませてくれたカーター。

最初に貼りましたドキュメンタリーでキャブスのトンプソンが、

「自分は彼がいなかったらバスケプレイヤーになってないだろう。」

と言い、更に

「ルーキーの時に彼に直接会った時言ったんだ、あなたは私にとってのマイケルジョーダンだってね。」

トロントで生まれ育った彼のこの発言が、当時トロントのバスケキッズにとってビンスカーターという選手がどんな存在だったかを物語ってくれていますね。

そしてこの私にとっても、ビンスカーターというのはとてつもなく大きい存在です。

彼がいなかったら、ここまでNBA&バスケに夢中になっている自分も今存在していないはずですから。

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About cata.

cata.
96-97シーズンよりNBAを見始め、それがきっかけで中学からバスケを始める。高校ではNBAファンサイトを運営。大学から渡米し7年滞在後に帰国。2015年からツイッターでNBA情報発信を始める。レブロンと同い年の会社員。

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9 comments

  1. いつも俺が最初でいいのかな、大したことも書いてないのに笑
    とりあえず俺の方も大忙し!
    早く落ち着きたいと毎日奮闘してます、ズコバコも最近ご無沙汰なんで寂しいっす。笑
    俺もNBAといったら真っ先にカーターが出ます、デビューからダンクコンテストまでの軌跡は間違いなく神を超えていたといまだに思ってます!
    毎日パソコンで見て興奮したもんです。(勿論カーターの動画です笑)
    私もあれほど夢中にさせてくれる選手は出てこないと思います。
    あんときがNBAに1番熱中してた時期です。
    カーター=ラプターズ。
    本当にこの方程式は最高でした!
    でも一人、最近気になってる選手がいます、それはテレンス・ロス!
    カーター程の輝きやインパクトはないですが、どこかカーターを彷彿とさせるとこが端々に感じられます。
    去年のコンテストでの優勝、先日のカーターと並ぶ一試合51pt。
    カーターみたいにシュートタッチもよく、身体能力の高さ、バネ、若いがゆえにミスもありますがそれでも目が離せません。
    ラプターズにカーターの後継者が現れたなんていうと怒られてしまうかもしれませんが、ロスには是非頑張ってもらいたい!と思っております!
    長文な上に駄文失礼致しました。笑

  2. 実生活お忙しいようで…ファイトです!
    やはりカーター愛は計り知れないものがあるね♪
    自分は先日某さん(笑)からKDのシアトル愛を教えてもらい、今までそんなに気にしてなかったKDにハメハメしてもらいたくてウズウズしちゃってるよ♡
    プレーに魅せられて好きになる選手もいるけど、やっぱりシアトルを愛してくれる選手はヒイキしちゃうね!
    そして今シーズン…KDの活躍はヤバい!!!あの飄々としたプレースタイルもなかなかのもんだね♪
    そんな私はシアトルに行ったこともなければ、場所もよくわかってません。
    まあ、サンダーはオクラホマだからいいよね!
    ……………
    オクラホマの場所もわからーんm(__)m

  3. >shunさん
    いつもトップをかっさらっていく、そんなshunさんに胸キュンです!
    本当に毎回コメントありがとうございます、私としても読んでくれている人がいるんだなと書く気力を頂けます。
    カーターはほぼダンクに関しては神ですので、特等席に固定するとして… ロスは自分も注目しています!カーターと同じラプターズというのもありますし、あのダンクはやはり並の選手とは一線を画していますね。キャリアハイの試合はかつてカーターが見せてくれた8連続3を彷彿させるような爆発っぷりでした。
    ちなみに以前はカーター&マグレディのコンビで盛り上がりましたが、今ロス&デローゼンはそれに近いかなと思ってます、スタイルもそうですし、何よりデローゼンもコンテストでその実力を見せている通りダンカーとしても優秀、二人とも良い身体能力が高いスコアラーで見ていて面白いです。
    なんだかんだラプターズはチームとしては好きな方なんですよね、ファンにはちょっと疑問を感じますが、贔屓目でこれからも応援していこうと思ってます。
    また何かコメントしたいと思う事があればいつでも何でもどうぞ!
    >mtoさん
    今シーズンのKDはこのまま行けばMVP最有力だと思います、何か他を寄せ付けないオーラを感じさせ始めてますね、試合を見ているとまだ25歳ではありますがチームリーダーとしての自覚もかなり芽生えて来た印象があります。
    ちなみに以前KDをステイプルズセンターで生観戦しましたが、あまりにも楽に動いて軽く決めてくれるのでプレーに面白みはないかもしれませんが、ある意味個人技によるオフェンスの理想型というかそういったものを垣間みさせてもらいました、KD以外で同じような感覚を与えてくれたのはステファンカリーでしたね、数年前ですが彼も見た時衝撃でした。
    自分も今シーズンはサンダー推しで見てます、今年は是非優勝して欲しいですね!!

  4. 心もあそこもガンガンキュンキュンしてください笑
    更新楽しみで毎日覗いてますからね、ストーカー?笑
    カーターとマグのコンビはもっと見てみたかったですよね、大好きな二人だけに移籍は悲しかったです。
    マジックで活躍するよりラプターズで活躍してほしかった。
    確かにロス&デローザンは見てて面白いですね!
    ゲイがいなくなってロスが安定して試合にでれるのも嬉しいです笑
    ガンガンコメント残すので、ながーくお突きあいください笑

  5. マジックにいったからマグレディーが開花したってのはあると思いますが、当時のラプターズファンとしては今で言うレブロン&ウェイドのように、カーター&マグレディーの飛躍を是非見たかったですね。
    ロスは今年もコンテスト出るようですので、今年は何を見せてくれるか非常に楽しみです。

  6. 初めて拝見させてもらいました。
    僕もラプターズ時代のカーターに
    惚れ込み今でもNBAファンで
    今シーズンはメンフィス応援してます、笑。
    今回のカーターの涙に感動です。
    愛されてるという事ですね。

  7. コメントありがとうございます。
    先日のラプターズ戦でのラプターズ創立20周年カータートリビュートビデオは、正にトロントにおいてどれだけビンスカーターという存在が大きかったか実感させられる出来事でしたね。
    今シーズンは熊がやたらと好調ですから、カーター初のリングも期待出来るかもしれません、是非応援したいですね!

  8. カタさん今晩は、イベサボリたまたま観に来ますよ。笑
    carterに応援しましょう!ダンクしなくでも、carterの愛にも変わりません。

  9. アンさん訪問&コメントありがとうございます♪嬉しいです。
    カーターはダンクしなくても、全てひっくるめて応援したいですね、近年引退したとしても一生ファンです!

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