6度のチャンピオン、6度のMVP、2度のファイナルMVP… 挙げだしたらキリがない功績の数々。
そしてフープ上から振り下ろされるスカイフックを武器にコービーを越える、歴代一位の通算38387得点を叩き出した伝説。
NBA史上最高と言っても過言ではない超人であり、鉄人、史上最も偉大なレイカーの一人として名が挙げられるカリームアブドゥルジャバー。
先日コービーは引退を宣言する際にその思いを詩に綴りましたが、それを受けて人生の大先輩であり、コービーが憧れたレイカーズを支えたカリームがコービーに賛辞&祝福の詩を公開しました。
それはコービーが「バスケットボール」に捧げたように、カリームが「バスケットボールを通して得た自身の経験」から、「引退」に捧げたカリームならではのポエム。
和訳をつけましたので、カリーム自身が出演する動画と重ねて読んで頂ければ幸いです。
「Dear Retirement from Basketball」
「バスケットボールから、引退へ」
引退よ、アナタはみすぼらしいなんて事はない。
だが私はアナタを見下していた。
もう応援してくれるファンはいない。
毎日アドレナリンを刺激してくれる相手もいない。
ボールが綺麗にネットを通る爽快な音もない。
シルクを通るメロンのように。
相手のフラストレーションによるしかめっ面も見られない。
ロッカールームに駆け込む疲労困憊の身体から勝利の塩気ある匂いも感じられない。
目的が、ない。
私は間違っていた。
アナタは私が全く予期していなかったギフトを与えた。
私がラストイヤーに各都市を回った時、溢れんばかりの賛辞と純粋な愛を浴びせてくれた。
ファンは応援してくれ
足を踏み鳴らし
手を叩き
それは私が最後のゲームで得点したからじゃない。
なぜなら彼らは私が次にする事が何であれ、幸運を願ってくれたからだ。
彼らは数々の思い出にありがとうと言いたかった。
父が無邪気に笑う子供と一緒にフォームフィンガーを振った試合
家路に着く車の中で家族全員で熱狂したプレイについて語り合った試合
子供達が到底不可能としか思えないようなプレイを目の当たりにした試合
それは彼らが次の日にプレイグラウンドで真似したくなるような
その年に私が感じた謙虚な気持ちは、彼らの感謝の気持ちに価するプレイをしなければと思わせた。
それは選手としてではなく、一人の男として。
引退よ、アナタは素晴らしい。
アナタはボールを持たない、背中のナンバーを背負っていない自分が一体何者なのか気づかせてくれた。
私はその男の中にたくさんの異なる情熱がある事を見つけた。
選手としての経験から、書物に興味を持ち始めた、それはまるでシャワーの中でしか歌わない自称歌手のような感じだった。
しかしアナタは私により成熟した言葉を見つけるだけの貴重な時間、そして世界にそれを共有する勇気を与えてくれた。
人々が私を応援していない時でさえ。
最も重要な事は、アナタは一人のファンとしてバスケットボールのとてつもない楽しさを再認識させてくれた事だ。
観客席でも、ソファの上でも、熱狂的に私のチームが勝利するのを応援し、願った。
アナタは、ただ試合を見てそれを愛した子供時代の自分を思い出させてくれたんだ。
アナタは私にとって代わる才能溢れる若きアスリートへの感謝も生み出してくれた。
彼らとコートで相見える事がないのは知っている
その戦略に心配する必要もない
私はただ驚嘆させられるだけだ。
まるでコービーブライアントに魅了させられたように。
神よ、彼は空を翔け上がり点を取る、陸から陸へと舞い上がることが出来る。
彼は詩心をゲームに呼び戻した、それはファンの心へ。
その詩の形状と機能、動作と心がけ。
彼はまるで大理石のブロックを見る彫刻家のようにコートを眺め、間も無く生まれるであろう素晴らしい芸術を想像した。
そして彼は毎試合、毎試合それを生み出した。
引退よ、アナタが私にしてくれたように彼を抱きしめてあげて欲しい。
アナタが私がコートの外で何者であったかを教えてくれたように彼にもその事を伝えてあげて欲しい。
コミュニティーでの私の居場所。
私の目的。
一番は、彼に本当の意味で「引退」というものは無いんだという事に気づく手助けをして欲しい、それはただ一つの部屋から次にまた移るだけなのだと。
自分探求の果敢な冒険
そこで新しいコービーを見つけるであろう
また彼を驚かせ、輝かせる新しい自分を
by カリームアブドゥルジャバー
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