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苦労人ジョナサンシモンズがマジックとの3年契約に合意、夢を追い続けた過去に迫る

2017年07月15日
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ここ2シーズンに渡りスパーズで貴重な活躍を見せていたジョナサンシモンズが、マジックと3年2000万ドル(日本円で約22億円)の契約で合意しました。

先日スパーズからクオリファイングオファーを取り下げられ制限無しFAとなったシモンズでしたが、間も無くしてオーランドマジックと契約。金額としては安いと言われていますが、彼にとって3年契約を勝ち得た事はとても大きな意味を持つでしょう。

と言うのも、シモンズは来季3年目のNBAシーズンを迎えますが年齢は既に28歳、ここに到るまで人一倍苦労した過去があったからです。

▼DリーグからNBAへ、ジョナサンシモンズの軌跡▼

シモンズは16歳の時170cmの小柄なガードでしたが、二年目に190cmまで身長が伸びSMU、テキサスA&M、マーケット大から推薦候補となるものの学力不足のため短大入学を余儀なくされ、パリス短大に入学。

一年目に12.2得点のアベレージをあげオールカンファレンスに選出、そして二年目にはミッドランド短大に編入し13.3得点で再びオールカンファレンス選出を果たしました。

その活躍もありNCAAディビジョン1のヒューストン大でプレーすると言う大学学生選手契約書にサインし、1stシーズンに平均14.7得点をあげチームはカンファレンスUSAで8位にランクイン、エージェントをつけた後2012NBAドラフトへ名乗りを上げる事となりましたが、結果は無念の指名無し。

そのまま新しく立ち上げられたセミプロリーグ、アメリカンバスケットボールリーグのトライアウトに参加したシモンズは、シュガーランドレジェンズから指名を受け入団。16試合で平均36.5得点のハイパフォーマンスを見せました。

その後シモンズはバスケプレイヤーではなく一時的に理髪店で働く事になりましたが、やはり夢を捨てきることは出来ず2013年9月28日、150ドルの参加費を支払いDリーグのオースティントロス(スパーズの傘下、後にオースティンスパーズに改名)のトライアウトに参加。ここで己の実力をアピールしたシモンズはチームのコーチであったケンマクドナルドにトレーニングキャンプに誘われ見事ロスター入りを果たす事となるのです。

しかし決して給料の良いとは言えないDリーグでは将来も不安、そして既に年齢も20代半ば、この時シモンズはバスケキャリアに終止符を打つことも考えたそうです。彼の母も再び理容師になる道を提案し、シモンズ本人も地元へ戻り午前9時から午後5時まで普通に仕事をこなし4人の娘を養おうと思ったそうですが、それでも彼は最後まで諦める事が出来ませんでした。

より成長を見せた二年目のシーズンには15.2得点、4.3リバウンド、3.7アシストと目覚ましい活躍を見せウエスタンカンファレンスファイナル進出へと貢献、再びNBAへの可能性を切り開いたシモンズ。

▼2014-2015 Dリーグ ハイライト▼

コーチのマクドナルドは、

「彼のアスレチック能力は教えられるものではない、そして彼の成長ぶりを見ていると本当に夢が現実になってきていると感じたよ。」

と語りシモンズの活躍に太鼓判を押しました。

 

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そして2015サマーリーグでプレーしていたシモンズは念願の一本の電話をエージェントから受け取る事になるのです。

「君はNBAプレイヤーとなったよ、スパーズが2年契約を与えてくれたんだ。」

驚きのあまり、「何だって!?ちょっとまって、何だって!?」と取り乱したと後のインタビューで語ったシモンズ。その後スパーズをラスベガス優勝に導き見事ファイナルMVPを受賞、その二日後に正式にサンアントニオスパーズと契約が結ばれる事となりました。(二年目は保証無し)

 

直接シモンズに契約の確認を知らせたスパーズスタッフはそのミーティングの時彼の反応を見てとても感傷的になり、彼の将来を危惧していたシモンズの母は一晩泣き明かしたそうです。

そしてシモンズは母に「お母さん、夢が叶ったよ。」と告げ、母は「息子よ、私はとても感動しているわ。」と返したそうです。

「映画で見るような話だけど、これは誰か他人の物語ではないの。テレビをつけて、その画面に映っているのは紛れもない私の息子なのよ。」

見事夢を実現した我が息子を誇りに思う母、その苦労の過程を貴重な体験だったと受け止めるシモンズ。

「毎日ここに辿り着くまでの道のりを回想するんだ。自分は常にそれに対して謙虚でありたい、なぜなら自分はもっと上達したいから、新しい自分になりたいんだ。そして他のプレイヤーから尊敬を勝ち取りたい。これは自分の中でネガティブをポジティブに変えるって事に繋がる、そしてその経験に感謝している。今ではこうして語ることが出来るけど、Dリーグでいつかこのチーム(スパーズ)で大きな役割を担う事が出来るって確信が得られるまではそうじゃなかった。今では自分が何が出来るかよく分かっているよ。」

今季のカンファレンスファイナルではチームのエースであるレナードが離脱した後、スターターも務め攻守に奮闘したシモンズ。スパーズ敗退濃厚と言われる中、試合前に気合い十分でハーキーをする姿がとても印象的でした。彼にとってコートに立てる時間というものは何物にも代え難いものなのでしょう。

 

今回の契約により長いキャリアが保証されたと言い切れるわけではありませんが、生き残る大変さを人一倍知っている彼ですから、きっと素晴らしいハッスルプレーで活躍し続けてくれるはず。これからも粘り強いディフェンスとアリーナを大いに沸かせる豪快なダンクを武器に、是非大暴れして欲しいですね。

▼ジョナサンシモンズ 2016-2017シーズン ベストプレーハイライト▼

 

ちなみに彼の名前はJonathanではなくJonathonですが、綴りがoになっているだけで発音&読みとしてはジョナサンで問題ありません。NBA JAPAN公式ではJonathonをそのまま直読みしジョナソンと表記してあるので、多所でジョナソンとも書かれています。

SOURCE : NBA G LEAGUE

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About cata.

cata.
96-97シーズンよりNBAを見始め、それがきっかけで中学からバスケを始める。高校ではNBAファンサイトを運営。大学から渡米し7年滞在後に帰国。2015年からツイッターでNBA情報発信を始める。レブロンと同い年の会社員。

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