みなさんご存知NCAAディビジョンIに属するゴンザガ大学に留学中の八村塁選手。抜群の身体能力を誇るとして日本にいた時から話題だった彼ですが、本日ゴンザガ大で行われたダンクコンテストにて更なる進化を見せつけてくれました。
ゴンザガ大は3ポイントコンテストやダンクコンテスト、そして紅白戦などを行う公開練習を開催。そこで行われたダンクコンテストに参加した八村選手は計3本のダンクを炸裂。
Rui can fly, but you knew that (the first one was juuuust inside the FT line) pic.twitter.com/xsPByyHUBf
— Lindsay Joy (@SWXLindsayJoy) 2017年10月8日
現時点でコンテスト全体を通した映像は上がっていないようなので決めた順番は定かではないですが、彼が決めたのはボードに当ててのオフザグラスウィンドミル、ジョーダンがかつて得意としたボールを手首に抱え込みながらスイングするゆりかごダンク、そして極めつけは利き手と逆の左手&右足踏切でフリースローライン付近から跳躍してのダンク、日本ではレーンアップと呼ばれている高難易度な一発です。
ここで「全部すごい!ヤバい!」で終わらせるのは簡単ですが、ダンクに特化したブログを自称している身なのでそれらのダンクを分析させて頂こうと思います。
まずボードに当ててのウィンドミルですが、ウィンドミルは高さがないと旋回するだけの時間が稼げないためそれを決めるだけで素晴らしい、更にボード経由でのアリウープスタイルなので空中でのハンドリング能力も要求されるため、これはダンカーとしてのポテンシャルの高さが凝縮された一発と言えるでしょう。そして彼は基本的に片足跳びを得意とするタイプだと思っていましたので、今回コンテストの舞台で両足跳びのウィンドミルを決めたのは嬉しい驚きでした。
ゆりかごダンクは出だしの右にスイングする際そのまま真横に持っていったのが少しインパクト不足ではありますが、旋回からのフィニッシュは素晴らしい完成度。空中でのモーションも美しく非常に洗練された一発でした。ちなみにこのダンクを得意としたジョーダンは、最初のスイングを下からすくい上げながら右に振るので見た目がかなりダイナミックになります。手首に抱え込んでいながらパワーが逃げないのも彼の特徴ですね。
▼最も有名なインゲームでのゆりかごダンク▼
このゆりかごダンクは得意とするプレイヤーが少ないので、八村選手のダンカーとしてのフレキシブルさを感じます。以前練習でもこなしていたのでジョーダン同様十八番技なのでしょう。
そして今回のダンクで最も驚かされたのはやはりこの一本、フリースローラインから一足分内側に入った所から跳躍してのダンク。横からのアングルで見るとその凄さが分かります。
Rui just threw one down from damn near the foul line with his left hand. pic.twitter.com/hAxU8ziJYu
— Sam Vecenie (@Sam_Vecenie) 2017年10月7日
(追記です、この横アングルからの動画が貼られたツイートが削除されていた&同じ動画が見つからないため縦アングルの別動画を貼っておきます。)
この飛距離を出せるだけでも相当すごいのですが、特筆すべきなのは利き手&利き足を共に逆で決めきった事。
基本的にコンテストでのダンクというのは最もインパクトを出せる技を披露する場なので、本来ダンカー達は自分が得意とする踏切、そして技のみを駆使します。そんな中で逆を使えるというのはよっぽどの自信があるという事の証明と言えます。
そしてこのフリースローラインからのダンクを決めるプレイヤーは今まで相当数出てきているのは事実ですが、難易度の高いこのダンクを逆でトライするプレイヤーはほとんどいません。
パッと思いつく所で2001年のNBAダンクコンテストでジョナサンベンダーが右利きながら左手で同様のダンクを決めていましたが、彼は片足飛びの際の利き足が右なのでフリースローラインからのダンクが左手になるのも納得でした。右足で跳ぶのに右手だと基本的にバランスが保ち辛いですからね。
2:16からのダンクです。
そして彼は7フッターとかなりの長身(長身でこなすプレイヤーは少ないので逆にすごいとも言えます)、そしてダンク自体も利き手とは逆であるためとりあえず決めましたといった感じで上からフープに落とす感じだったのですが、今回の八村選手は左手でしっかり振り下ろしてフィニッシュしています。観客の盛り上がりっぷりがそのダンクの素晴らしさを物語っています。
もし今回のフリースローラインダンクが左足踏み切りの右手ダンクだったら、「凄まじい身体能力」で済ませる事が出来たのですが、逆で決めた事により私の中では「あなたは一体何者ですか」というレベルまで昇華いたしました。未だ嘗てここまでコンテストで柔軟性を見せつけたダンカーはなかなか思い出せません。強いていうなら過去記事で取り上げましたが、驚異の高校生ザイオンウィリアムソン。彼も左右の手を使いこなし、片足跳び、両足跳び共にレベルが高いダンカーです。
八村選手は片足跳びでは左右の足を満遍なくこなし、更に両足跳びでも十分な跳躍力を誇り、フィニッシュは左右の手で決められる、更に技の難易度も高い、とダンカーとしてのポテンシャルは正直異次元です。
もちろんパワーやスピード、滞空時間、高さ、スタイルなど様々な要素を加味した上でNBAのトップダンカー達と比較しますと最高峰とは言い難いのは事実ですが、彼のようなタイプのダンカーがいないのもまた事実。そして彼はそうして比較したくなる程の潜在能力を秘めたプレイヤーだという事ですね。
NBAのモックドラフト(様々な情報をベースにしたドラフトシミュレーション)では、来年のドラフトで15位前後で指名されるとのデータも上がっている八村選手。今夏にはU19の日本代表としても大活躍を見せました。
▼八村塁 FIBA U19ワールドカップハイライト▼
2004年の田臥選手以来となるNBAプレイヤー誕生、そしてゆくゆくは日本人選手初のNBAダンクコンテスト出場をも期待してしまう19歳。バスケの本場アメリカでどこまで成長を続けるのか、これからの未来が楽しみで仕方がありません。
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