リーグ1乗せたら恐いと言っても過言ではない男、クレイトンプソン。
2015シーズンには第3Qのみ、単1クォーターでの史上最高得点となる37点をあげたトンプソンが本日行われたペイサーズ戦でまたしても歴史に残るインザゾーンパフォーマンスを披露しました。
1stバスケットとなる3を皮切りに果敢にフープにアタックし得点を量産、1Qのみでまず17得点を挙げ、そして続く第2クォーターではミドル、そして3をコンスタントに沈め23得点を追加と前半だけで40点を叩き出すと、第3クォーターでも火を吹き続け更に20点を上乗せ、計3クォーター29分のみの出場時間でキャリアハイとなる計60得点の大台に到達しました。
– トンプソン60点ハイライト –
フィールドゴールは21/33、3ポイントは8/14、フリースローが10/11という高確率。
そして60得点という数字だけでも驚きですが、更に驚愕なのは60点をあげた各ポゼッションでのトンプソンのボール保持時間はトータルで90秒のみという事実、そしてターンオーバーの数は0。
ウォリアーズのパッシングを主体としたオフェンスシステムの中で無駄にボールを保持せず徹底したキャッチ&クイックリリース、更にファーストブレイクでの飛び出し、スクリーンを上手く使ったカールなどオフボールでの動きも冴え渡り、正にボールを受け取る前の段階で理想的なシュートを放つ準備が完了している事の証明と言えるでしょう。
This is what Klay’s career-high 60 point shotchart looks like.
He’s 21-33 from the field (8-14 3PT) and it only took three quarters! pic.twitter.com/UAaw6ctQfN
— NBA.com/Stats (@nbastats) 2016年12月6日
こちらがそのショットチャート、3ポイントは要所で外れるシーンも目立ちましたが、レイアップ、ミドル、そして3と非常に満遍なくあらゆる距離&角度から点を稼いでいるのが分かります。
この29分60点パフォーマンスは1954-1955シーズンにショットクロックが採用されてからの30分未満の出場時間においての史上最高得点であり、なおかつ60点達成者の中では最もプレイタイムが短い記録となりました。
Klay Thompson: 60 points are most in a game in fewer than 30 minutes played in shot clock era (via @EliasSports) pic.twitter.com/BKNw7d5SW6
— ESPN Stats & Info (@ESPNStatsInfo) 2016年12月6日
また前半で40点は2003シーズンのコービーが叩き出した42点に次ぐ2位、そして第3クォーターまでの合計得点としては2006シーズンに同じくコービーが記録した62点(33分出場)に次ぐ2位の記録でもあります(ここ20シーズンにおいて)。
Klay Thompson’s 60 points through 3 quarters Monday were the 2nd-most through 3 quarters in the last 20 seasons pic.twitter.com/Z0MJxG4LTh
— ESPN Stats & Info (@ESPNStatsInfo) 2016年12月6日
この試合では第3クォーター残り1:22の時点で114-79とウォリアーズが大量リードしていたため早々とベンチに下がってしまったトンプソンでしたが、もし第4クォーターもプレーし続けていたらコービーの81点ももしかしたら見えてきた… かもしれません。
トンプソンは単一クォーター37点の時もそうでしたが、爆発力という点では彼ほど優れたスコアラーはいないのではと思えるぐらい恐ろしい得点感覚を秘めていると思います。
– トンプソン第3クォーターのみで37得点 –
昨シーズンの西カンファレンスファイナル、崖っぷちとなったアウェイでの対サンダー第6戦で3ポイントを次々と沈め(計11本)、チームの窮地を救ったのも記憶に新しい事でしょう。
– 11本の3を含む41得点パフォーマンス –
乗り出した時の彼は振り向きざまだろうがディフェンスが詰めていようがもはやアンストッパブル、まるでボールを宙に放てばフープを通過するようなその神がかったパフォーマンスは相手チームにとって脅威以外の何物でもありません。
そして先ほども申し上げました通り、彼は自らドリブルでリズムを作るのではなくキャッチ&リリースで得点を重ねるタイプなので、恐らく一度掴んだシュート感覚が通常のスコアラーよりも薄れにくいのではないかと思います、ボールを持ったら毎度シュートタッチのみに全神経を集中させる事が可能であり、なおかつ体力を必要以上に消費せず良いリズムをキープ出来る、トンプソンは “偶然ゾーンに入るのではなく、自らゾーンに飛び込んで行けるプレイヤー” と言えるのではないか、彼を見ているとそんな気がしてきます。
シーズン序盤では一時3ポイントの確率が1割弱と大スランプに陥っていましたが、なんだかんだで現在は4割近くまで上昇し、21試合を終えた時点での一試合の平均得点はKD(27)&カリー(26.2)に次ぐ22.5点、これから更にアベレージを伸ばして行く可能性は非常に高いでしょう。
ちなみに今回の60点パフォーマンスは誰の目から見ても素晴らしいモノでしたが、唯一元NBAプレイヤーであり現役時代にレイカーズで2連覇を果たしている彼の父、マイカルトンプソンは手放しで褒め称える事をしませんでした。
「お前は70点取れるはずだった、ワイドオープンの3ポイントを4本も外したんだからな。」
と発言、まだまだ上を目指す事が出来ると確信&人一倍期待をしているからこそ出る父の言葉なのでしょう。
しかし肝心の本人の口から出たのは、
「恐らくいつの日かもっと点を取る機会を得られるかもしれない、でも29分で60点も悪くないね。それに関しては満足しているよ。」
とある意味逆のコメント(笑)
自分を褒める事も大事だと思うので、トンプソンにはそれを自信に更に上を目指して成長を続けて行って欲しいですね。
そして蓋を開ければなんだかんだでウォリアーズは18勝3敗で西の一位、このトンプソンに加えあのメンバーはやはり恐ろしい事この上ないです。
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