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32歳のオールドルーキー、アンドレイングラムが念願のNBAデビューを果たす

2018年04月11日
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プレイオフ進出が叶わず残すゲームが消化試合となっていたレイカーズ、本日の対ロケッツ戦も大きな意味を持たない一戦となるはずだったが、ある一人のプレイヤーによりステイプルズセンターが熱狂の渦に巻き込まれることとなった。

 

彼の名はアンドレイングラム、恐らくこの記事を読んでいる方の大半は初めて聞く名前だろう。それもそのはず、彼はここ10シーズンに渡りNBAの下部リーグに当たるGリーグ(前Dリーグ)に在籍し、プロバスケプレイヤーでありながらも世界的に大きな脚光を浴びる事はなかったからだ。

イングラムは既に32歳、今季のサラリーはリーグミニマムの$19,500(約210万円)NBAに比べると雲泥の差がある待遇の中、オフには家庭教師の仕事も並行してNBAプレイヤーとなる夢を追い続けていた。Gリーグでは得意のアウトサイドを武器に通算で史上最多となる713本の3ポイントを成功、2010&2016の3ポイントコンテストに優勝し、キャリア平均の3ポイント成功率では46.1%という高確率を誇っていたもののNBAから声がかかる事はなかった。

そして10シーズン目となる今季、Gリーグのシーズンが終わり今年も夢は叶わなかったと思われた中、彼の元に吉報が届く。

レイカーズで主力の故障が相次ぎ選手が必要となった状況で、提携チームであったサウスベイレイカーズでプレーしていたことからチームのシステムを熟知している、更にこれまでの経験、優れたシュート力から即戦力となり得る上、チームに良い影響を与えるであろうカルチャーを構築出来るという理由からイングラムがレイカーズフロントの目に止まったのである。

こちらは彼が所属していたサウスベイレイカーズのツイートだ。

「努力を止めない。信じる事を止めない。夢見る事を止めない。」

彼は今季一杯のロサンゼルスレイカーズとの契約を勝ち取ったのだ。その報告をするべく妻に電話をかけた所、彼女は帰宅時間の連絡かと思いきやまさかの展開を聞き電話先で叫んでいたそうだ。

レイカーズのルークウォルトンHCは、32歳にして夢を叶えたベテランを手放しで賞賛した。

「若いプレイヤー達は如何にこのリーグにいることが幸運な事か教えられなければならない、この場所にいるのは本当に大変な事なんだ。彼はそれを伝えられる最高の模範的な存在と言えるだろう。」

現在レイカーズでプレーしているアレックスカルーソはイングラムのGリーグ時代のチームメイトだが、彼はおそらく最も尊敬に値したプレイヤーだと語った。

優れたプレイヤーである上に一人の人間として賞賛されるイングラム、Gリーグでもチームに必要とされなかった期間を含めこれまでの苦労を彼はこう振り返った。

「全て覚えているよ。そしてそれらは良い思い出なんだ。決して怒りの気持ちなんかじゃない。”俺はここにいるべきなんだ(チームから外されるような存在じゃない)”、なんてそんなものではないんだ。私は今自分が出来ている事に感謝している、これは本当に素晴らしい事なんだ。」

 

そして今日、レイカーズにとって今季最後となるホームゲームでNBAデビューを果たしたイングラム、32歳でのNBAデビューはアメリカ人プレイヤーとして史上最高齢の記録だ。

第1クォーター残り2分を切った所で彼の出番は訪れた。丁度同じタイミングでコートに戻る同年齢のクリスポールが祝福の言葉を贈っていたが、事前に彼の経緯を聞き感銘を受けていたそうだ。

イングラムは第2クォーター序盤で最初の3ポイントを左ウイングから沈めると、次のポゼッションではファールを受けフリースローを二投イン。更に3ポイントをトップからもう一本追加、その後バスケットカウントとなるミドルを沈め一気に二桁得点に到達と初戦の固さも見られず己の持ち味を存分に発揮、ステイプルズセンターに詰めかけたファンが「MVP!MVP!」の大合唱を始める程のパフォーマンスを見せつけた。

そして第4Q残り1分を切った所で最高の見せ場が訪れる。点差は6点レイカーズビハインド、最も痺れる場面でイングラムが見事なクラッチ3ポイントを炸裂。点差を3点に縮める貴重な一本となった。

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惜しくも逆転には至らなかったが、フィールドゴール6/8、3ポイントは4/5、フリースロー3/3、更に3ブロック、1スティールと期待以上の大活躍を見せ最高の形でデビュー戦を飾った32歳のルーキー。

この活躍を見たコービーは自身のツイッターで、LOVE IT.とツイート。

そして試合後、ウォルトンHCは今日の試合で使われたボールをイングラムにプレゼントし「最高のオープニングナイトだった」とメッセージを贈った。

こちらは同じ姓を持つブランドンイングラムとのツーショット(笑)

 

NBAという大舞台で自分が主役となるような状況の中最高のパフォーマンスを披露したイングラム、長年夢に見ていた瞬間を体験した彼の興奮は試合後も冷めやらぬようだった。

「そこには物凄い興奮があった。本当に凄まじかった。あの観客や照明、それは人生で一度きりの事だよ。」

 

恐らく今現在の状況を考えると、本気で勝つためにレイカーズが今回の契約を結んだわけではないだろう。しかし彼が今日見せたプレー、そしてチームに与える影響、それらを考えれば来季以降もレイカーズでプレーする流れは大いに考えられる。

イングラムは明日の対クリッパーズ戦までの契約となっているが、明日の活躍も大いに注目したい所だ。

 

「そろそろ止めようなんて気は無いよ。」

 

そう語った32歳のオールドルーキー、彼の挑戦はこれからが真の始まりなのかもしれない。

 

▼アンドレイングラムのNBAデビューまとめ動画▼

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About cata.

cata.
96-97シーズンよりNBAを見始め、それがきっかけで中学からバスケを始める。高校ではNBAファンサイトを運営。大学から渡米し7年滞在後に帰国。2015年からツイッターでNBA情報発信を始める。レブロンと同い年の会社員。

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