ロックアウトが起こった2011年のオフシーズンに密かにレコーディングされていた幻のラップソング、現ゴールデンステイト・ウォリアーズのケビン・デュラント、そしてロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズによるコラボ楽曲がついに公開された。
この曲はロックアウトのためシーズン開幕が遅れていた2011年のオフに、共にワークアウトをこなしていたデュラントとレブロンがプロデューサー付きの元、共にスタジオでラップをレコーディングした事によって生まれたものだったが、これまで一般に公開されることはなかった。
それから一体どんな曲だったのかと噂が広まるものの公開はされないまま7年の月日が経ったが、ついに今回プロデューサーであるフランキー・ワフー氏がその楽曲をSoundCloudへのアップロードに踏み切った。
それでは、早速聴いていただこう。曲名は「It Ain’t Easy(それは簡単ではない、二人のそれまでの道のりの大変さを表している)」
スマホから閲覧している方は「Listen in browser」を押せば、SoundCloudに飛ばずに直接再生可能だ。
前半はデュラントのパートだが、まるでプロと言われても気づかないレベルでクオリティの高いラップを披露している。私自身ラップに精通しているわけではないが、彼が上手いのは容易に分かる。SoundCloudに寄せられたコメントでも、「KDの第二の人生はもう決まったな。」「これKD?めちゃくちゃ上手いじゃないか。」「KDヤバい。」「これは驚きだ。」と称賛のコメントが多数見受けられる。
ちなみにこの曲は元々デュラント一人が参加する予定だったそうだが、ロックアウトで共にいたためレブロンも飛び入りで参加する事になったそうだ。ワフー氏曰くデュラントは元々音楽活動をしていたためこの流れとなったと語った。確かに今回のラップを聴くとそれも大いに頷ける。
▼2012年に公開されたKDの曲 Worried About Tomorrow feat. Privaledge▼
また今回公開されたこの曲だが、トラック自体は当時二人がラップを被せたものとは異なるものだそうだ。そのトラックはデュラントが用意したものだったが著作権などが不明だったため、ワフー氏が新たなトラックを乗せて公開した。
そして当時ESPNの記者であるクリス・ヘインズ氏がこの曲の存在を報道した所、TMZ(アメリカの大手ゴシップサイト)が$25万ドル(約2800万円)で買い取ると提案したが、ワフー氏がレブロンのエージェントであるリッチ・ポールと相談した所、NBA2K(人気NBAゲーム)へこの曲を提供する可能性も出てくるということも想定した上で断っていたそうだ。
しかしワフー氏は2Kへの楽曲提供が実現しなかった理由について、レブロンキャンプ(レブロンの関係者達)があえてこの楽曲を公にする事を好まなかったと語った。なぜならワフー氏も承知の通り、レブロンのラップスキルはそれ程優れていないからだ。これによりレブロンも普通の人間であるという側面を見せてしまう事になり、スーパースター像に傷がつくと考えたようだ。
ちなみにレブロンはこの曲の中で自身の険しい生い立ちについて語っている。
「片親、母だけ、父は去った。でも大丈夫だよ、お父さん。あなたは王(レブロン)を強くした。この少年を止める術はない。」
そしてデュラントはトップに上り詰めるための道のり、環境の変化、そして自身の身体に彫ったタトゥーなどについて言及している。
「今俺の身体にはタトゥーが溢れている。みんな俺は変わったっていうが、それは真実じゃない。数年前に会ったあの時のままだ。バスケに入り浸りだ、道を外しちゃいないぜ。」
デュラントに関しては当時は何の疑問も持たない歌詞だったかもしれないが、ウォリアーズに移籍して以来ヒール役が定着した今だと変わってしまったという歌詞がしっくり来ると感じるファンもいるかもしれない…
当時はお互いにまだ優勝を経験していなかったが、もし今の二人がリリックを書くとしたら一体どんなものになるのだろう。恐らくこれから先また二人でレコーディングする機会はないと思うが、次がある事を密かに期待したい。特にKDはラップが上手い上に2011年とは大分異なる状況なため、今の心境を含めて是非とも新曲を発表して欲しいものだ。
参考記事 : ESPN
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