あまりにも早くカタがついてしまった東西カンファレンスファイナルにより、約一週間のインターバルを経て迎えた今年のNBA FINALS。
ザ・イケメン・MVPカリー 対 ザ・ベスト・キングコングレブロンという大注目のカードとして幕を開けましたが、終始シーソーゲームとなった第一戦、その結果はOTの末108-100でホームのウォーリアーズが勝利。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | OT | TOTAL | |
GSW | 29 | 22 | 22 | 25 | 2 | 100 |
CLE | 19 | 29 | 25 | 25 | 10 | 108 |
OTにもつれ込んだ展開から考えますと、かなり実力が拮抗していたかのように見えましたが、実際の所はキャブス側はレブロンが孤軍奮闘する内容で、決して対等とは言えなかったかもしれません。
まず、今シリーズのキーとなっていたのが、
ウォーリアーズがレブロンをどう守るか
という点だったのですが、ウォーリアーズが取った作戦は、
“Don’t let the other guys beat us作戦.”
つまりレブロン以外のプレイヤーに仕事をさせないディフェンスシステム。
今回の第一戦ではイグダラが効果的にレブロンを締め出しアウトサイドにオフェンスを集中させ、レブロン一人に44点取られはしたものの、結果的にキャブスのチームオフェンスを崩壊させる事に成功していました。
イグダラが1 on 1でレブロンを抑える事が出来ていたので、必要以上にレブロンにダブルチームを仕掛る事無く、ウォーリアーズはレブロン以外でオープンを作る機会を潰す事が出来ました。
また、イグダラ以外のプレイヤーも要所で代わる代わるレブロンにマッチアップする事で、リーグのベストプレイヤーにマッチアップし続ける負担を軽減し、上手くチーム全体で体力の消耗を分散。
その効果もあり、キャブスはレブロン以外のプレイヤーのFGが圧倒的に少なく、JRスミスが3-13、シャンパート2-6、トンプソンは2点のみ、ジェイムスジョーンズは17分で一本打ったのみ、デラベドバはショットアテンプトすらなく、第3Q以降は何とこの5人全員得点無しという状況。
唯一Cのモズコフが試合通して点を重ねたぐらいで、サポーティングキャストのヘルプがほとんど無い展開となってしまいました。
ウォーリアーズとしては、レブロンの独り相撲を誘発させるゲームプランだっただけに、正にしてやったりの展開だったでしょう。
レブロンがそれでも点を取れていればまだゲームは競り合うのですが、レブロンがベンチに下がっている時間帯のキャブスオフェンスはほとんど機能せず、レブロンに変わってアービングが点を取らないといけない状況になってしまい、訪れた結末が、、、
OTで痛めていた膝を悪化させ、ファイナル残りの全試合欠場。
怪我を負っていたアービングを酷使しないと食い付けないキャブスは本当にタフな状況だったでしょう、アービングは本調子ではない健康状態ながらも23点と十分な活躍をしており、第4Q終盤ではカリーの決勝シュートを見事にブロックするなど、怪我を悪化させる事無く出場し続けられていたら第二戦以降も非常に楽しみなアービングの活躍でしたが、正に訪れるべくして訪れた結果だったのかもしれません。
もし第4Qのクラッチタイムでレブロンが決めていたら、アービングは負傷する事なく試合を終える事が出来ていた、と意見するファンもいるようですが、あの転倒の仕方を見ていたらアービングの膝は既に限界で、仮に第二戦に出場出来ていてもコンスタントに活躍する事は無理だったのだろうと思わされます。
このファイナルでは、MVPカリー対ベストプレイヤーレブロンが注目を集めていましたが、リーグのベストPGと呼ばれる者同士のカリーVSアービングを楽しみにしていたファンも多いことでしょう、非常に残念です。
OTでコートを去る事になったアービングがロッカールームに向かう途中に脱いだジャージを床に叩き付けたのを見た時は、何ともやるせない気持ちになりました、初のファイナルの舞台がこういった形で幕を閉じるのは本当に辛いでしょう、ラブの不運な肩の故障による欠場もあっただけに、レブロンと共に自分もチームを引っ張らなければと思っていたはずです。
しかし起こってしまった事はどうしようもありませんから、アービングには先のキャリアの事もありますし、十分に休養を取って治療に専念して欲しいですね。
後は、残ったプレイヤーが奮闘するだけです。
初戦から窮地に立たされたレブロンですが、翌日の練習後の記者会見で、
「シーズン終盤には、健康で、良いリズムで、運があることが望ましい。僕らは良いリズムでプレーしているし、運もある。ただ、健康ではない。それでも気落ち していないよ。自分が置かれている状況は理解しているし、試合について極端に心配しているわけでもない。苦労しているけれど、幸せでもある。この瞬間にいられて興奮もしている。繰り返しになるけれど、チームの皆に強く言いたい。誰がいる、いないにかかわらず、今この瞬間にいられることに興奮している。」
(NBA.com Japanより引用)
とコメントしたようです。
プロである以上、試合に勝利する事が全てではあるとは思いますが、起こった事を受け入れ、今自分が在る状況に幸せを見出せるとは、プレイヤーとしてはもちろん一人の人間として大いに成長したと思います、5年連続ファイナル進出している者ならではの言葉ですね。
私も改めて、誰がプレーしても、しなくても、勝っても、負けても、レブロンがヘッドバンドしてても、してなくても、頭皮がk、今こうして素晴らしいプレイヤーが集うNBAファイナルの舞台を観戦出来ている事に感謝しなければならないなと思います。
注目の第二戦、キャブスが勝利するにはヘッドバンドを巻いたレブロンが必要だとそこそこ真面目に信じている私でした。
それでは。
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