特大アフロが特徴のピストンズのゴール下の番人と言えばこの人、Big Benの名で親しまれたベンウォレス。
昨年11月にそのウォレスの背番号3が当時のチームを支えたチャウンシービラップスと並んでピストンズの永久欠番となる事が発表されましたが、そのセレモニーが本日ピストンズのホーム、ザパレスオブオーバーンヒルズにて対ウォリアーズ戦のハーフタイムに行われました。
当時チームメイトだったハミルトンやプリンスにラシードウォレス、そしてビラップスに加え、ヘッドコーチだったラリーブラウンと懐かしのメンバーが勢揃い、
Family. #DetroitBasketball pic.twitter.com/g88dOtLkJf
— Detroit Pistons (@DetroitPistons) 2016, 1月 17
更にセレモニーで流れた映像にはコービーも登場しウォレスの偉業を讃えました。
ベンウォレスは元々1996年、コービー、アイバーソン、ナッシュ、レイアレンなどがデビューした華の96年組からは漏れドラフト外からNBA入りした選手で、セルティックスのサマーリーグに参加した際は上背の無さから不向きのアウトサイドに配置され後に解雇と苦労した過去がありました、一時はイタリアでプレイし現ウィザーズのワシントンブレッツに入団、2000年シーズン前にマジックで持ち前のディフェンスで貢献した後ピストンズへ移籍、そしてその彼が一躍脚光を浴びるきっかけとなったのがピストンズでの大活躍だったのです。
そして恐らく彼が最も脚光を浴びたのは、NBAファイナルシリーズ史上最大の番狂わせ、と呼ばれてもおかしくなかったNBAファイナル2004。
開幕前にコーチに名将ラリーブラウンを迎え、シーズン途中には多彩なオフェンス(とテクニカルファール)が魅力のラシードウォレスが加わったピストンズは念願のNBAファイナルに進出、その相手は2000年から3連覇を果たしたものの4連覇がかかった2003年シーズンにスパーズの前に涙を飲み、オフにペイトン&マローンと90s最高のポイントガードとパワーフォワードを獲得し雪辱に燃えカムバックしたレイカーズでした。
ファイナルのカードが決まるとレイカーズ優勝が決まったようなものという前評判でしたが、スーパースター不在と言われたピストンズがまさかの4勝1敗でのシリーズ制覇。
それまでは、「優勝チームには必ずスーパスターが二人いる。」というジンクスがありましたが、この年のピストンズの優勝によってその常識は打ち砕かれたのです。
レイカーズの得点をシリーズ平均84点に抑えるチームディフェンス、そして平均二桁得点をあげたのがコービー&シャックだけのレイカーズに対し、スタメン全員が二桁得点を取るゲームもあり非常にバランスの取れた試合展開を見せたピストンズ、そしてこのシリーズの勝利を引き寄せた要因として真っ先に挙げられるのが、ウォレスの当時NBA最強と謳われていたシャックを抑えた類い稀なるディフェンス力だった事は疑いようのない事実でした。
ウォレスは翌シーズン再びファイナルへ進出、その後2008年まで6年連続でのカンファレンスファイナル進出に貢献、2000年代のピストンズを支えたウォレスの功績は正に永久欠番にふさわしいものと言えます。
オフェンスでは手首の関節に異常を抱え、セットシュートが安定しないというハンデを抱えていましたが、持ち前の身体能力と抜群のボール感覚でゴール下のプレイにおいて類い稀なる成績を納めました。
4度の最優秀守備選手賞、オールNBAディフェンシブ1stチームに5度、2ndチームに1度の選出、オールスターには4連続での選出、2度のリバウンド王、1度のブロック王、そしてドラフト外からオールスターのスターターとなった初の選手、206cmとセンターとしては決して大きくないながらも仕事をこなすことは十分可能だと証明してくれた彼のプレイはきっと多くのプレイヤーに勇気を与えた事でしょう。
今日ピストンズと対戦したウォリアーズのドレイモンドグリーンもベンウォレスに憧れた一人だったようで、試合中にグリーンからウォレスへのメッセージが紹介されていました。
「ミスターウォレス、サイズが劣っているこの私にNBAプレイヤーになるのは可能だという事を見せてくれて感謝する。そして私がアナタに思った事と同じ事を今の私に感じる少年がいる事を願いたい、人はその人の心に何が宿っているかをジャッジする能力は持ち合わせていないって事を感じながら。」
丁度今NBAで活躍しているプレイヤーは学生時代にベンウォレスのプレイを見て育った世代ですので、グリーンと同じ事を考えているプレイヤーは多そうですね。
そしてそのウォレスはセレモニーの際のスピーチで、
「ピストンズファンは世界最高のファンだ、自分に居場所を与えてくれた。ピストンズファンのようなファンは他にはいない。本当に感謝している。」
と、ウォレスがNBAプレイヤーとして開花した舞台はファンの皆によって作り出された事を強調しました。
当時のベンウォレスの人気は相当なものでファンもアフロのカツラを被り応援していましたが、ウォレスにとっては本当に感極まる一時だったでしょうね。
家族と共にアリーナに掲げられる背番号3のバナーを見上げるウォレス。
数々のハッスルプレイ、そしてコレ程ファンに愛されたプレイヤーを見て育つ事が出来て、私もとても嬉しいですし、心の底からおめでとう、そしてありがとうと言いたいです。
今日セレモニー後に行われたピストンズ対ウォリアーズは113-95の大差でピストンズが快勝、相手はリーグ最高勝率を誇るウォリアーズでしたが、まるで2004年のファイナルを思い起こさせるような前評判を覆す見事な勝利でウォレスの表彰に華を添えました。
この調子でピストンズのゴール下を務めるドラモンド初め他プレイヤー全員が、ウォレスのバナーを見て彼の魂を受け継いで行ってくれると良いですね。
来月の現地時間10日にはビラップスのセレモニーが彼の古巣である対ナゲッツ戦で行われます。
その時再びこのメンバーが揃うわけですね♪
それでは最後に懐かしのベンウォレスポスターと動画をいくつか貼ってこの記事の締めとさせて頂きます。
雑誌付録のポスターでベンウォレスに浸る。 pic.twitter.com/7kFTVxY0IZ
— cata.@NBA (@nba_carter2) 2016, 1月 17
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