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ボストンへの思いとクリーブランドでの意気込みについて語ったアイザイアトーマスの単独インタビューを和訳しました

2017年09月11日
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先日アイザイアトーマスのボストンへの愛を綴った手紙を全文和訳させて頂きましたが、ツイッター上でかなりの反響があったため今回はキャブズ入団記者会見と同日に行われた彼の単独インタビューを和訳いたしました。

手紙の記事と重ねてお読み頂ければ彼に対する理解がより深まるかと思います。

ちなみに今回はインタビュー形式なので何となく敬語にしました。

それではどうぞ。

 

▼インタビュー動画▼

 

Q. クリーブランドへようこそ。相当な我慢が必要とされるリハビリについてですが、一体どれ程大変になると思いますか?君はそれ程辛抱強い方ではない中それを強いられるのはどうですか?

そうですね、これは私のキャリアの中で初めて相当な我慢が強いられるモノです。そして私自身はもちろん、私のキャリアにとっても、そしてチームにとっても最善を尽くさなければいけません。とにかく辛抱強くある事を学ばなければなりませんが、今素晴らしい医療スタッフグループ、また組織が支えてくれていて、回復に向けて辛抱強く長い目で見てくれています。その長い期間の中でそれだけの支えがあるのは自分にとってとても自信になります。自分も出来る限り辛抱強くあるつもりですが、それと同時にリハビリに励んで、より向上し、コートに一早く100%で復帰出来るようにしたいです。

 

Q. あなたも知っている通りこのクリーブランドの組織は最高の医療を誇ると評判ですが、この状況はあなたにとってどれだけ助けとなりますか?

とても快適です。自分がトレードされた後医療スタッフとこれからのプランについて話し合いました。自分を後押ししてコートに押し出してくれようとする彼らの存在は大きな自信を与えてくれましたし、それと同時に冷静である必要性も感じました。そういった感情をここクリーブランドで得られたので、100%でコートに復帰し世界中が待ち望んでいるプレーを披露するのが本当に楽しみです。

 

Q. この新しいチームでのフロアスペーシングはどうなるかなどについて考えましたか?

考えはしましたが、正確にはまだ分かりません。今まで二人や三人に守られる事ばかりでしたからね。なので自分が自由にアタック出来るスペースが生まれよりプレーがし易くなる事は、前にも言いましたが本当に最高の環境なんです。レブロンジェームズという疑いの余地なく史上最高のプレイヤーを抱えた状況では確実にダブルチームされるのは私ではなく彼ですから。特にプレイオフで自分は2人、3人と掻い潜らなければなりませんでしたから、ここでは自由な距離が生まれますし、きっと私の持ち味が発揮できますよ。

 

Q. 今までは得点を取る事を求められていて、ここでももちろんそうではあるでしょうが、その上でどれだけ他のプレイヤーとの連携を楽しめると思いますか?

それは楽しいでしょうね、とても楽しめると思います。私はスコアラーです、私がスコアリングガードである事はみんな承知です。しかし私はガードとしてコートに出ている間常に正しいプレーを心掛けなければなりません。もし点を取る事を求められているならそうしますし、そうでないならオープンのプレイヤーを見つけパスを捌くでしょう。そしてここにはレブロンやケビンラブ、JRスミス、カイルコーバーやデリックローズなど優れたプレイヤーがスペースを生み出してくれます。ディフェンスの穴をついてやりますよ。

 

Q. アナタは今までどん底を経験し、常に疑問を持たれて来ました。そして倉庫で鉄棒にぶら下がって背を伸ばそうとしたりしたという物語も聞きましたが、そうした逆境に打ち勝ちながらも史上最高になりたいと思う程のモチベーションはどこから生まれるのですか?

それが私なんです。私はそうやって今まで生きてきました。数々の障害を通して、それらにぶつかる時は最初は痛みを伴いますが、それでも自分は世界最高の選手の一人なんだって証明しなければならないのです。それはとてもタフですが、今こうして世界は私を認めています。私がコート上で何が出来るかを知っています。なのでそれはもはや問題にはなりません。だからコートに舞い戻ってこのチームのプレイヤー達と共に自分のプレーに磨きをかけるだけです。彼らは皆高いレベルにあるプレイヤーなので、きっと大丈夫です。それは容易な事です、絶対に容易ですよ。なぜなら利己的ではなくチームメイトをまるで生徒のように成功へと導くことの出来るスーパースターがいるんですからね。そういう事です。

 

Q. 彼(レブロン)はアナタにとってどれ程の助けになると思いますか?

計り知れません。私はこれまで彼程の優れたプレイヤーと同じチームになった事がありませんからね。一人もいませんでしたよ。私はバスケットボールプレイヤーですから、コート上では誰とでも適応する事を学びました、彼も同様です。そして遠目から見ていると、彼がチームメイトにキャリア最高のプレーをさせているのが分かります。

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Greg M.Cooper / USA TODAY Sports

 

Q. 彼が今まで敵としてやって来た事を見て、なぜ彼はそんな事が出来ると思いますか?

彼はディフェンスが何をするのか把握する感覚において特別なのです。プレイオフではそれを知っていたので、彼に同じディフェンスを何度も見せる事は出来ませんでした。バレちゃいますからね。そして私は今まで友人や家族にも彼は確実に史上最高のフロアリーダーでもあると言って来ました。彼はチームメイトを最高のプレーが出来るポジションに的確に配置させますから、私もそれが待ちきれません。

 

Q. ジェイクラウダーについて一般のファンが知らない事を教えてください。

いつも一緒にいると分かるのですが、彼は本当に素晴らしい人で、なおかつハードワーカーです。全てを当たり前と思わず1対1でも3対3でも練習場でのスクリメージでも常に勝つ事を意識しているんです。自分と同じ意識を持っている彼だからこそすぐ意気投合出来たのだと思います、彼は近道を求めたりはしません。だから王者を目指す上で彼は絶対に必要不可欠なプレイヤーなのです。

 

Q. 君たちは共に強い精神力、鋼の決意を持っていますが、それを如何にして既に王者を経験しているチームに活かせると思いますか?

彼らの中に自分達のようなプレイヤーはいないですよね。人生の大半で期待をされていなかったようなプレイヤーは。もちろん1位指名やMVPを取る人達を軽視してるわけではありません、それらは素晴らしい事ですし、彼らのような特別なプレイヤーには脱帽です。しかしジェイは2巡目指名で、自分なんて最下位です。私達がコートに立つ時は常に最後の決闘のような気持ちですから、それがこのチームに異なるマインドセットを呼び込むと思います。

 

Q. デリックローズやジェフグリーンも証明するべきものがありますよね?

その通りです、間違いありません。ですから私達は全員で一つのゴールを目指すのです。それが優勝です。

 

Q. それが既にあなたを駆り立ててますか?

もちろんです。トレードされた時は傷心しました、それは事実です。ボストンセルティックスには全てを捧げましたからね。でもこのような状況になるとは、私の息子が言ったようにレブロンジェームズとプレー出来、優勝が現実的になり最高のプレイヤーと最高のステージに立てているわけですからね。

 

Q. 君の子供達にこのバスケットボールの現実を伝えるのはどんな感じでしたか?

とても辛かったです。彼らはボストンを愛していましたから。自分と同じように恋に落ちていました。しかしそれと同時に、彼らが良ければ自分も安心なんです。キャブズの一員になるのが彼らも幸せなら私もそうなんです。そして物凄い事があるんですが、長男は一夏中トレードとかFAの状況を見ながら、毎日私に「なぜキャブズにトレードされないの?」とつっかかって来ていたんです。私の妻も彼が如何にしつこかったか知っていて、なんでそんなにキャブズに行きたがるの?って感じでした。彼はレブロンジェームズが大好きで、キャブズも好きだったんです。それが今回結果的により良い感情へと繋がったわけですから。彼は天才ですよ。

▼父に促されレブロンとタッチするジェームズ&ジェイデン君▼

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Q. 未来のGMですか?(笑)

そうですね。(笑)そんな風にも考えられますね。

 

Q. しかし家族が幸せならアナタも心踊るんじゃないですか?

えぇ、家族が私のモチベーションですから。そして妻は私にとって全てです。彼女は今回の件を当たりと捉えました、確かに当たりとも言えますが、彼女はさぁ引越しの準備よ、これは最高の出来事になるわという感じでした。フェニックスからボストンへ移籍する時も同じような心境にはなりましたが、あの時は何も予期出来ませんでした。しかし今回は優勝というゴールがハッキリしています、リーグ最高のチームの一つでプレー出来るのは私達が望んでいる事です。

 

Q. 私達はデトロイトで数試合プレーすることになりますが、「アイザイアトーマス(80年代に2連覇を果たした同姓同名のピストンズの永久欠番選手)」という名前をたくさん呼ぶ事が出来て光栄です。そこで名前のスペルは異なるものの(Isaiah と Isiah)、その名前はもちろん私は彼とアナタの間にいくつか共通点が見えるのですが、何か自分の中に浸透しているものはありますか?

はい、天使の外見に残忍さを持ち合わせている所ですね。

 

Photo by Andrew D. Bernstein / NBAE / Getty Images

 

Q. 確かに、よく笑いますもんね。そしてその笑顔に騙されてはいけない。

えぇ、なぜなら彼は私が幼い頃から追い続けた選手の一人ですから。いつどんな時でも笑顔を絶やさないものの、コート上では殺し屋となるんです。私も彼のようにプレーしています。普段は良い人となり、全てにおいて幸せを感じていますが、コートに立ったら友達なんていません。ただ勝つだけです。それが唯一のゴールなんです。

 

Q. バスケットボールがビジネスだという事は承知していますが、キャバリアーズはアナタがずっと倒したいと思っていた相手でした。しかしそれが果たせず、そして今そのチームに加入するとは、それは素晴らしい事だと思いますか?

確かにこれ自体は良い事だと思いますが、それと同時に私達はボストンで彼らをやっつけて優勝したい、それには彼らを避けては通れないと思っていたので、ちょっと違和感もあります。今は逆にみんなが私達を避けて通れなくなりましたからね。今のリーグにいるプレイヤーは誰もがキャブズを倒したいと思っています、それは凄く嬉しいんですよ。だって今までそのような立ち位置にいた事はありませんから。この機会に本当に興奮しています。

 

Q. 古巣ボストンで彼らセルティックスと顔を合わせる時は、その感情をどうコントロールしますか?

それはとてもタフでしょうね。彼らファンも私と同じ感情を持っていて傷ついてたでしょうし、これまでお互いに同じ道を辿り、共に在り続けて来た仲ですからね。彼らは初日から私を暖かく迎えてくれました。ですから感傷的にはなるでしょう、しかしゲームが始まったら… 倒してみせますよ。それが私がそこにいる意味なのですから。

 

Q. 今日はJ(クラウダー)もアナタもお洒落に決めてきましたね?

自分はそうでもないですよ、カメラに映るからしたまでで、でもJは意識してるでしょうね(笑)彼はお洒落ですから。彼はきっとスーツとブーツでキメてくると思っていました。だから私も何か素敵な格好をしなければとは思いました。

 

Q. 少なくともアナタは溶け込もうとしてましたよね?(キャブズのチームカラーであるワインレッドをチョイス)

えぇ、もちろんです。キャブズの事は今までよく見てきていて、彼らが凄く好印象を与える人達だと分かっていますから(定評のある巧みなハンドシェイクなど含め)、私も身振りを少し向上させなければなりませんね(笑)

 

Q. (ケビンラブとの写真を見て)有名な写真ですが、当時14、15歳ぐらいですか?

もっと若く見えますが、そのぐらいでしたね。その時はキャンプに参加していたんです。

 

Q. これから(ラブとの関係は)どうなると思いますか?

全てに影響するでしょうね、とても楽しくなるでしょう。私はケビンを5、6年生ぐらいの頃から知っていて同じチームにも所属していましたから。私は週末にワシントン州のタコマから電車でオレゴン州のポートランドにある彼の家までよく泊まりに行っていました。なので彼と彼の家族についてはよく知っています。実はトレードが決まった後一番最初にメッセージをくれたのが彼なんです。彼は私が来ることを凄く喜んでくれて、また一緒にプレー出来る事を楽しみにしていました。私も彼を始め、友好関係にあるプレイヤー、仲の良い彼らとのプレーが本当に楽しみです。

 

Q. ジャマールクロフォードはアナタと同じ地域出身で大きな影響を受けたそうですが、アナタにとって彼はどんな存在ですか?

彼はバスケットボール以外でも私の良き助言者となってくれたりと、全てにおいて大きな存在でした。まるで兄のような感じです。16歳の時に初めて会ってから毎日話して来ましたし、本当にバスケに限らず様々な面で気にかけてアドバイスをくれました。彼とは毎日話をするので子供達同士も仲が良く、家族でも付き合いがあります。そして彼は今回のトレードを聞いて喜んでくれたんです、彼もこんな事が起こるとは予期出来ませんでしたが、レブロンと一緒に優勝を目指すのか、これは君にとって大きな転換期となるねと興奮した様子でした。

 

Q. しかしアナタは彼のようにバッシュの寿命が来るまで履き続けたりはしないですよね?(笑)

そこは全く見習っていないですね(笑)自分は数試合ごとに履き替えますからね、彼は今も昨年のシューズを履き続けているんじゃないですか?(笑)彼は全然気にしません、そこがまた彼の良い所なんです。

 

インタビューは以上となります。

ボストンへの名残惜しさと新天地での期待が入り混じった複雑な心境がよく伝わって来ます、そしてこれだけレブロン&キャブズメンバーとのバスケを楽しみにしているとなるとやはり怪我は相当辛いでしょう。

しかし彼も言うようにこれはキャリアに直結する重大事ですから、まずはしっかり治療に専念し、どれだけ時間がかかろうとも万全の状態で復帰を望みたいですね。

そして彼が復帰し、全メンバーが揃ったキャブズが一体どんなバスケを見せてくれるのか、今から楽しみで仕方がありません。

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About cata.

cata.
96-97シーズンよりNBAを見始め、それがきっかけで中学からバスケを始める。高校ではNBAファンサイトを運営。大学から渡米し7年滞在後に帰国。2015年からツイッターでNBA情報発信を始める。レブロンと同い年の会社員。

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