昨年のドラフトでニューオーリンズ・ペリカンズから1位指名を受けた怪物、ザイオン・ウィリアムソンが久しぶりにNBAファンを震撼させた。
ザイオンは本日チームと共にニューヨーク・ニックスのホーム、マジソン・スクエア・ガーデンに姿を見せ、試合前の練習で彼らしいパワフルな股抜きダンクを披露。相変わらずとんでもないパワー、そしてスイングスピードだ。
Air Zion almost back 😳
(via @WillGuillory)pic.twitter.com/RWcfFezAAO
— Bleacher Report (@BleacherReport) January 10, 2020
ザイオンはシーズン開幕前のプレシーズン戦で右膝半月板を損傷し手術を受けていた。それから最低でも6〜8週間は離脱となると報道されていたが、ペリカンズは彼のコンディション調整に慎重になり、歩き方や走り方など身体の使い方を一から再調整していると伝えられていた。
そして手術から約3ヶ月、ようやく彼らしい動きが見れる動画が出回った流れだ。今日の試合には出場はしなかったものの、既に試合前にコートで練習している事から復帰は間も無くと見られている。
そこで人々がやはり気になるのが、今からでも彼が新人王を受賞出来るのかどうかという点だろう。過去には2011年のブレイク・グリフィン、2018年のベン・シモンズのように怪我を負った一年目は全休し翌年に新人王を獲得した例もあったように、もしかしたらザイオンもその道を辿るのではないかと思われていたが、どうやら彼は一年目のシーズン半ばからデビューとなりそうだ。本人曰く、自分自身の判断であれば既に試合に出ていると発言していたので、現時点でほぼプレーに問題はないのだろう。
さて、今からザイオンが復帰した場合シーズンの残り試合は約半分といったところか。現実的に考えてここからの新人王受賞はかなりハードルが高い。しかし幸いな事に新人王はMVPと異なりシーズンの出場した試合数はそれ程重視はされていない。1986年にはニューヨーク・ニックスのパトリック・ユーイングが50試合の出場で受賞、また2007年にはブランドン・ロイが57試合の出場で受賞している。近年では2017年にジョエル・エンビードがわずか31試合の出場で3位となった。
▼ ザイオン・ウィリアムソン 2019プレシーズンハイライト ▼
ザイオンはプレシーズンで平均23.3得点、FGは71.4%と圧倒的なインパクトを残していただけに、この活躍をシーズン半分続ければもしかしたらと考えているファンは少なくないようだ。だが、彼の新人王受賞が現実的ではないと思われる一番の理由は、今季は優秀なルーキー達が揃っているという事だ。目ぼしい活躍をしているルーキーがいなければザイオンが約40試合で最大限のインパクトを残せば受賞は有り得るかもしれないが、今季はメンフィス・グリズリーズのジャ・モラントで既に新人王は確定のようなムードとなっている。モラントはこれまで33試合に出場し、平均18得点(FG48.8%、3P38.7%)・6.8アシストと立派な成績を残している。また彼に続きマイアミ・ヒートのケンドリック・ナンとタイラー・ヒーロー、ザイオンと同じデューク大出身のニューヨーク・ニックスのRJ・バレット達も候補に挙げられている。
これらの猛者を退けてザイオンが受賞する場合、個人的には彼の加入でペリカンズの勝率が伸び(新人王はチームの勝ち星もそれ程重視はされないがインパクトとして)、更に20得点・10リバウンドの平均ダブルダブルぐらいの大活躍をしなければ厳しいだろうと思う。
現実は相当にハードルが高い。しかし、あのザイオンならと思わずにはいられない。彼のデビュー後の快進撃に期待したい。
と、締めたい所だが、どうやらペリカンズのアルビン・ジェントリー監督によるとザイオンは出場してもプレータイムにしっかり制限を設けられるそうだ。それも当然と言えば当然だろう、ペリカンズは現時点で西の14位と低迷、8位につけるグリズリーズとゲーム差は3とまだプレイオフ進出の可能性は十分あるが、怪我明けであるチーム期待の星を酷使してまで上を目指すのはかなりリスクが高い。ペリカンズもザイオンの個人賞にはこだわっていないだろうし、ザイオン本人も自分よりチーム第一のマインドを持ったプレイヤーなのでプレータイムは少なめで徐々に調整していく形で大いに納得なはずだ。
一年目はNBAの水に慣れ、ペリカンズでのプレーを学び、時折豪快なハイライトでも飛び出せばそれで十分。彼のキャリアはこれから長く続いていく、じっくりとリーグ最高のプレイヤーへと育っていって欲しいものだ。
参考記事 : Forbes
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