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コービーブライアントが語る死生観、神話学、そしてバスケットボール

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NBA引退から早半年が経ったものの、相変わらず注目を集め続けるレイカーレジェンドのコービーブライアント。

先日ロサンゼルスのダウンタウンにあるMAMAギャラリーにて、彼の12作目のシグネチャーシューズであるKOBE AD宣伝イベントが行われました。

 

カンファレンスルームにはコービーの過去作のバッシュが並べられた時計の絵画があり、丁度12時の位置に今回の新作コービーADが描かれ、更にコービーのジャージと共に敷き詰められたキャンドルは正に彼のバスケットボールキャリアの終わりを示しているかのようでした。

独特の世界観を持つコービーならではの装飾、そして今回その機会を利用してThe Ringerのライターであるマイカーピーターズ氏がそんなコービーの内側に迫ったインタビューを行ったのでご紹介させて頂こうと思います。

 

その内容は、コービーの死生観神話学、そしてバスケットボールについて。

 

それでは以下、二人の対話の和訳となります、どうぞ。

 

ピーターズ「私たちは今メソアメリカの壁画家によって描かれた時計絵画の上に座っています。そしてこのセッティングは私にこれを聞かざるを得ないと言っている気がしてなりません。

アナタにとって、とはどのような関わりを持つものなのですか?」

コービー「それは心地良いモノだね。」

ピーターズ「そうなのですか?」

コービー「心地良いモノだよ、そしてそれは理解に値する。死と言うものの存在なしで、生は存在し得ない。闇の存在なくして光は得られないのと同じさ。だからそれを受け入れるんだ。自分が引退するべきか否か決定する時、それは全てのアスリートに必ず訪れるモノだと受容するんだ。そしてそれに対抗する時、自分の中での葛藤が生まれる… だから自分にとってはそれは自然な事で、心地良いモノなんだよ。」

ピーターズ「ウォールストリートジャーナルで、アナタは今の段階を3年早くプランしていたと語りました。そうしようと決めたタイミングは何だったんですか?」

コービー「あの怪我だよ、アキレス腱を断裂した時さ。あれが起こり、OK、今がその時だ、そうだろ?と思ったんだ、キャリアの終わりは今かもしれないって。実は21歳ぐらいから次に何が来るのか見極めなくてはならないとは思っていたんだ、脳内で色々想像していたね、でも何かを始めるって事はなかったんだ。そしてあの怪我が起こった時に、今から築き上げなければならないって思った。あれがターニングポイントだったね。」

ピーターズ「ターニングポイントに差し掛かるというのはどんな気持ちだったんでしょうか?20年にも渡り携わってきたモノが終焉を迎え、自分の一部が死するような感覚に陥るような感覚だと思いますが、今改めてどう感じますか?」

コービー「興奮だ。」

ピーターズ「興奮ですか?」

コービー「そうさ、興奮さ。なぜならそれは新しい何かを始めるプロセスのスタートだからね。アキレス健を怪我して身動きが取れなかった時、ただそこに座って怪我をした事によるフラストレーションを断ち切ろうともがく事も出来ただろうけど、逆に自分はそれを新しいチャレンジだと置き換えたんだ。何か自分を興奮させるものへとね。するともうここで落ち込んではいけないという思考に焦点を定めてはいない、既に何か新しい事を築き上げる事への興奮へと向かっているんだ。だからそれは本当に興奮する出来事だったんだよ、これから何が始められるのかってね。」

ピーターズ「それは新しいバージョンの自分を見つけようとする感じですね?」

コービー「そうだ、そしてそれはまた一から築き上げられるんだ。」

ピーターズ「アナタは先ほどのQ&A(ナイキのイベント)でラッセルウェストブルックやカワイレナードの世界に執着する必要は無くなったと言っていましたが、長い間午前3時に起床し何千本もシュートを打つ習慣に慣れしてしんでいた事を考えると、今も何かに対して執着していたりするのですか?」

コービー「物語を伝える事が今自分にとっての一番だね。書物さ。それにより次世代のアスリートに影響を与える物語を生み出しているんだ。それらが何を意味するのか?ドキュメンタリーの視点からではなくファンタジーからの視点、そして神話学の視点から次世代のアスリートに伝える事の出来るそれらの物語は一体どんなものなのか?それはスポーツに限った話じゃないんだ、スポーツを通して人生について説うモノなんだ。それを如何にして結びつけるのか、それが今自分が執着して毎日取り組んでる事なのさ。」

ピーターズ「お気に入りの神話の分野は何ですか?」

コービー「ギリシャ神話を幼少時代に学びながら育ったね、妙だったけどね。イタリアに住んでいた当時10歳の時、自分のクラスではイリアスの韻文を暗唱するためにラテン語でイリアスを読まなくてはならなかったんだ。アメリカに移って来るまでそれが如何に妙な出来事だったのか気づかなかったよ、だって誰も知らないんだからね。そりゃ変な話さ。」

ピーターズ「イリアスについて死語で一体どう表現するんですか?何かしら一節を覚えていたりしますか?」

コービー「覚えてないよ、全く。何なんだコレは?何で?って感じだったからね(笑)」

ピーターズ「それについて聞く良い機会だと思ったんですが、なぜなら…」

コービー「そうだね、とりあえず自分が惹かれた所はアキレウスとヘクターの異なった哲学についてだったんだ、その信仰の対称さがね。どっちに自分がより投影したかって?まだ幼かったとはいえ、自分はアキレウスの方がより面白いと思ったよ。子供ながらにね。アキレウスは常に面白かった、なぜなら彼は常にアグレッシブだったからね。」

ピーターズ「トロイは見ましたか?」

コービー「あぁもちろんさ、彼は他者からの視点の限界に囚われないよね。」

ピーターズ「彼は完全に結果に縛られてますよね。」

コービー「その通りだ、それを実行する事にね。それらは10歳の少年が理解するにはとても複雑な事だったけど、近々子供達にこれらの事をより簡単に飲み込めるようなレッスンをしようと思ってるんだ、もちろんラテン語ではないけどね。」

ピーターズ「有害になりませんかね?」

コービー「ラテン語じゃないから(笑)それによって彼らが楽しむというプロセスを歩める事は素晴らしい事だよ。」

ピーターズ「これは絶対に聞いておきたい事なんですが、死後はどうなると思いますか?」

コービー「分からない。」

ピーターズ「分からないと。」

コービー「分からないよ、でも死ぬ時には分かるね。」

ピーターズ「これはアナタが頭を悩ませる質問の一つですか?」

コービー「自分にとっては、それは単純な事だ。

分からない。

そしていずれ分かるさ。」

 

まるで悟りを開いたかのようなコービーの回答、流れに逆らわない、常に前を向き、ネガティブな事に囚われ続けない、いつでもチャレンジを楽しむ、そして人生いつかは終わるもの、それを受け入れながら今を一生懸命に生きる。

毎度コービーの言葉には気づかされる事が多いですが、彼の深い人生経験から来る台詞は本当に説得力があり身に染みます、コービーが書いた本がいずれ世に出たら是非手に取りたいです。

 

バスケをしていても、していなくても、コービーが一人の人間としてとても魅力的であるという事実は永久に変わりませんね。

それでは。


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About cata.

cata.
96-97シーズンよりNBAを見始め、それがきっかけで中学からバスケを始める。高校ではNBAファンサイトの運営に夢中になり青春を台無しにする。大学から渡米し7年滞在後に帰国。三度の飯より四度の飯が好きってぐらいダンクを愛するB型アラサー。

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