これまで絶不腸に陥っていたヤング砲がついに火を吹いた。
アトランタ・ホークス対シカゴ・ブルズのサマーリーグ戦でドラフト5位指名のルーキー、トレイ・ヤングが3ポイント7本を含むゲームハイの24得点を奪取。これまでの3ポイント成功が5試合で35本中6本という不調ぶりだったが、今日は第1クォーターから次々とネットを揺らしその実力を見せつけた。
▼トレイ・ヤング 対ブルズ戦ハイライト▼
ヤングはアシストも5本とチャンスメイクでも貢献、鋭いペネトレイトからのキックアウト、タイミングを見計らったロブを放ち得点を演出した。
これまでのアウトサイドの不調ぶりを見て「NBAではシューターとしてではなくプレーメイカーとして成功するのでは」といった記事も飛び出していたが、彼はオクラホマ大での1シーズンで史上初となる得点王とアシスト王の二冠を達成していたのでそう言われるのも不思議ではない。しかしその記事はやはり先走りであったと言わざるを得ないだろう、やはり彼の3ポイントは脅威である。それが大いに証明された試合となった。
まずタッチが良かったのはもちろん素晴らしいが、何よりも今までシュートが決まっていない事実に関わらず、打てるタイミングがあればいつでも打つという姿勢を徹底しているのが一流シューターかつ恐ろしい存在である証しだろう、これまでの低確率など御構い無しの3ポイント試投数13本はその気持ちの強さを伺わせる。更に彼はリーグ最高のシューター、ステフィン・カリーと比較される事が多いがカリーが稀にディープ3を狙うのに対し、彼の場合はディープ3がむしろ当たり前のようなシューティングスタイルのためディフェンスからすれば非常に厄介な存在だ。
ヤングはドラフト5位で指名され3位のルカ・ドンチッチとトレードされホークス入りとなっていたが、チームを背負って立つプレイヤーとなる期待をされているであろうだけに今日の活躍にはチームフロントもとりあえず胸をなでおろしたと思われる。この容赦無くどの位置からでも放たれるアウトサイドに加え、インサイドに容易に切り込めるクイックネス、そしてオープンを見逃さないコートビジョン、NBAで優れたポイントガードとなる要素を秘めていることは間違いない。
もちろん課題がないわけではない、リム周りの決定力は低く(今日もFGは7/19)、コンタクトに弱くフローターの決定率の低さも相変わらず指摘されている。ちなみに先月のドラフト1巡目で指名された選手の中で、彼は大学時代のゴール下の決定率が53.5%と最下位だったようだ。外が真の脅威となるにはやはりペネトレイトからのスコアリングを強化する必要はあるだろう。またディフェンスも課題とされており、ターンオーバーが多いのも難点の一つだ。
これまでの出来からも好不調の波があり手放しで褒められる内容が続いているわけではないが、だからこそNBAの舞台でこれからどう成長をしていくのか、非常に楽しみなプレイヤーだ。同タイプのガードが皆無と言っていいプレースタイルだけに注目度も高いだろう。ホークスは昨シーズンにルーキーとして平均二桁得点を記録した現在20歳のジョン・コリンズも有望な若手だけあって、今季はこのヤングを含め面白いゲームを見せてくれそうな気がしてならない。2シーズンぶりのプレイオフ進出はまだ厳しいかもしれないが、新ヘッドコーチのロイド・ピアースの元どう変化を遂げていくか見応えあるシーズンになりそうだ。
▼トレイ・ヤング オクラホマ大ハイライト▼
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