クイックンローンズアリーナに詰めかけたファンはこの瞬間をどんなに待ちわびていた事だろう。
キャブスホームに戻って行われたNBA FINALS 2015第3戦は、96-91でキャブスがフランチャイズ史上初となるホームでの勝ち星を挙げ、シリーズを2-1とリードした。
この日もキャブスの大黒柱レブロンは、40点、12リバウンド、8アシストとほぼトリプルダブルの活躍を見せ勝利に大いに貢献、そしてレブロンに加え勝利の立役者となったのは、第2戦に引き続きスターティングPGを務めたデラベドバだった。
デラベドバはこの試合、第2戦で光った守備面だけでなく、オフェンスでも3ポイント2本を含む20得点を挙げ、攻守に渡ってチームをリードした。
キャブスは前半終了時点で7点のリードを奪い、更に第3Qでは10点の差をつけ、このシリーズの最高得点差となる17点のリードをキープし最終クォーターに突入。
誰もがキャブスの勝利を疑わない展開になったかに思われたが、ここから西チャンピオンであるGSWが底力を見せる。
ウォーリアーズのカーHCは何とか流れを変える手段として、このタイミングで第1、2戦とプレータイムの無かったデビッドリーを起用、そしてこの作戦が功を奏す。
リーは的確にフリーのプレイヤーにパスを供給し、自らも果敢にインサイドに切り込みファウルを誘い、13分の出場で11点を挙げる活躍を見せる。
リーの貢献もあり、ウォーリアーズは第4Qの開始3分で2-13の追い上げに成功し、一気に17点あった差は6点に、そして第2戦沈黙したMVPのカリーがついに覚醒する。
残り2:45となった所で、グリーンから右45°でパスを受け素早くキャッチアンドリリース、1点差となる3を決める。
そして残り2分を切った所でレブロンが3を沈め差は再び7点まで開いたが、ここからカリーは立て続けに3で追い上げる、更に94-88となった残り27秒からのオフェンスでは、トンプソン、リー、そしてグリーンと三枚のスクリーンを使い左45°から最後の望みをつなぐ3を沈めた。
第4Qで怒濤の追い上げを見せたウォーリアーズだったが、後一歩届かなかった。
この試合のキーとなったのは、やはり要所でのデラベドバの働きだ、一気にウォーリアーズに流れがいきかけた第4Q、何度もルーズボールに果敢に飛び込みチャンスを奪い、更にカリーから値千金のバスケットカウントを決めた。
ウォーリアーズの反撃ムードの流れを断ち切り、何とか踏みとどまる事が出来たのは、やはりデラベドバの活躍あっての事だろう。
試合終盤に本来のリズムを取り戻したカリーだったが、試合後のコメントでは「デラベドバに対するバスケットカウントで流れが変わった」と語った。
ディフェンスのみならず、オフェンスでも20点も挙げられるとウォリーアーズとしてはかなり手痛い、レブロン以外の選手の得点を抑えたい戦略としては予想外の伏兵の登場と言える、第4戦もデラベドバの働きが勝利の行方を左右する事は間違いない。
しかし、第3戦終了後デラベドバは重度のけいれんを起こし、クリーブランドクリニックで治療をしているようだ。
あれだけハードにプレイし、ルーズボールダイブが度重なれば決して不思議ではないが、第4戦のプレーに影響が出ない事を切に願いたい。
ちなみに、この試合でも圧倒的な活躍を見せたレブロンは、ファイナル3戦目を終えた時点での総得点が123点となり、かつてサンフランシスコウォーリアーズでプレーした両手投げフリースローの名手リックバリー(元NBAプレイヤーのジョンバリーとブレントバリーの父)が1967年に記録した122点を更新した。
↓ 1967年のNBA Finals 第3戦 55点をあげたバリー(動画は短い)
この三試合でのFG%は40.2%と決して高くはないが、プレイタイムが既に142分に到達しているのを考えると、これだけ長く出場しながらもショットを打ち続け、決められる体力はやはりレブロンならではだろう。
ファイナルにおいて第2戦までの戦績がタイである場合、第3戦を制したチームは過去84%の確率でチャンピオンに輝いている。
あくまでデータ上の話ではあるが、この一戦を勝った事によりキャブスのフランチャイズ初王座はかなり近づいたと言えるだろう。
注目の第4戦は、現地時間11日に再びキャブスのホーム、クイックンローンズアリーナで行われる。
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