シーズン開幕から11勝4敗で東の2位と波に乗るミルウォーキー・バックス、そのエースとして活躍を続ける今季6年目のヤニス・アデトクンボがダンクの雨降らせている。
ヤニスはこれまでの14試合(1試合欠場)で64本のダンクを炸裂、このペースはシーズン通算で370本に到達するハイペースとなる。2000-2001シーズンからショットの種類別としてカウントが開始されたこの記録だが、これまでの最多記録は現在ワシントン・ウィザーズに所属するドワイト・ハワードがオーランド・マジック時代の2007-2008シーズンに記録した269本。今季ヤニスがこの記録を更新する可能性は特別な怪我などがない限り確実と言えるだろう。
.@Bucks‘ @Giannis_An34 is cramming on everyone. pic.twitter.com/LADsNGWtlo
— theScore (@theScore) 2018年11月17日
彼の特筆すべき点は、自らボールを持ちあらゆる状況からダンクを叩き込んでいくそのプレースタイルにある。基本的にはこのダンク成功数が多いプレイヤーというのはインサイド主体のセンターで、現在での最多記録を持つハワードや現ダラス・マーベリックスのデアンドレ・ジョーダンなどリム周辺でボールを受け取り、アリウープやそのまま垂直跳びで叩き込むシチュエーションが非常に多い。しかしヤニスはリム周りでのリバウンドからダンク、もしくはそのまま外れたシュートをプットバック、更にポストプレーからももちろんダンクに行け、機動力を生かしドライブや速攻からでも自らダンクに持ち込む事が出来る。彼はガードの選手が多用するユーロステップも得意とするが、方向転換があり、歩幅が広くなるユーロステップでは高い跳躍が難しい中、長いリーチを生かしそのフィニッシュもダンクとなるのは本当に驚異的だ。更にそれを利き手の右手だけではなく左手でも決めてくるのだから堪らない。現代を象徴するオールラウンダーである彼だが、211cmというその体格を含めダンカーとしての素質も恐ろしく高いためもはやアンストッパブル、近年ウェイトトレーニングを重ね身体も大きくなりコンタクトにも強くなったのでますます手がつけられない状態だ。
▼先日の対ウォリアーズ戦、ヤニスのダンクを見てベンチで呆然とするドレイモンド・グリーン▼
またヤニスは今季から新ヘッドコーチ、マイク・ブーデンホルザーの元、3ポイントを多投するというチームスタイルの改革に伴い3ポイントも積極的に打つよう指示されているようだ。彼に3ポイントが加われば鬼に金棒なのはもちろん、これによりディフェンスをストレッチさせ、空いたスペースにドライブ、そして高確率のダンクと彼のゲームを更に向上させることに成功する。チームとしても今季3ポイント1試合平均3本成功、成功率42.5%とストレッチ5として飛躍的な進化を遂げているブルック・ロペスと共にインサイドのビッグマンを引きずり出してくれる事は大きなメリットとなるだろう。(ただ現時点では3ポイントの確率が12.5%とキャリアワースト)
今季これまで1試合平均25.6得点、12.7リバウンド、5.5アシスト、1.3スティール、1.5ブロックのハイスタッツを記録しており、チームも東2位の好成績、早くもMVP筆頭に挙げられているヤニス。昨季はシーズン前にコービーから「MVPを取れ」と課題を与えられオールラウンドな活躍を見せたが、ジェームズ・ハーデンやレブロン・ジェームズなどの目覚しいパフォーマンスもあり惜しくも逃す形となった。しかし今季は既にヤニスをMVPに推す者は多い、そして彼の必殺技と化しているそのダンクはMVP受賞を大きく後押ししてくれるだろう。
現在リーグで最も支配力を持つプレイヤーと言っても過言ではない23歳。対戦相手からすれば恐怖でしかないが、その恐怖はこれからも増す一方だ。
▼昨シーズンの全試合からのBESTプレーハイライト▼
▼昨年公開されたヤニスのキャリアBESTプレーTOP34▼
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