本日行われたセミファイナル第5戦で大爆発、112-102の勝利に貢献しジャズとのシリーズに終止符を打ったクリス・ポール。
キャリア13シーズン目にして自身初となるカンファレンスファイナルの舞台に立ったわけだが、未来の殿堂入り候補と言えるスーパースターは、決してその喜びに浸る事はなかった。
「まだまだだ、一体どこの誰がこれだけのためにプレーするんだ?分かるだろ?まだまだなんだ。俺たちは後8ゲーム勝たなくちゃならない。これからどんな感覚になるのかは分からないが、とにかく俺たちはまだやるべき事がたくさんあるんだ。」
カンファレンスファイナル進出ではなくその先にある優勝だけを見据えているポールは、プレイオフキャリアハイとなる41得点を叩き出し、7リバウンドを奪い、10アシストを放った。強力デュオの相棒であるジェームズ・ハーデンが不調な中、ポールは恐らくプレイオフ通算86試合目にして過去最高のポストシーズンパフォーマンスを見せたと言えるだろう。Elias Sports Bureauによると、プレイオフで40得点&10アシストに加え0ターンオーバーを記録するのは、ターンオーバーが公式スタッツに追加された1977-78シーズン以降史上初となる快挙だそうだ。
Chris Paul is the 1st player to have 40 points, 10 assists, and 0 turnovers in a playoff game since turnovers became an official stat in 1977-78. #SCFacts (via @EliasSports) pic.twitter.com/A2mUMiyblL
— SportsCenter (@SportsCenter) 2018年5月9日
ポールは勝負の最終第4クォーターのみで20得点、これは単一クォーターの得点でレギュラーシーズン&ポストシーズン、全て含めキャリア最高得点となった。
Chris Paul finished with 41 points, a career playoff high which included 20 points in the 4th quarter, a career-high for most points in a quarter (regular season & playoffs) pic.twitter.com/btPs6yBMDS
— ESPN Stats & Info (@ESPNStatsInfo) 2018年5月9日
ロケッツの最終クォーター37得点中26得点をスコア or アシストしたポールは、この勝利によりNBAの歴史上最もプレイオフ試合数が多いカンファレンスファイナル未経験者という不名誉な記録に別れを告げる事が出来た。(これによりジャマールクロフォードが74試合で一位となった)
「信じられない。彼はコート上でゲームを支配した。」
本日フィールドゴール7/22、計18得点だったハーデンはここ一番の大舞台でステップアップした相棒を称賛した。
「彼は俺たち全員を背負いこう言った。”聞いてくれ、俺が引っ張る。” あれはビッグタイムだったよ。まさにビッグタイムパフォーマンスだった。彼は全員に退いておくよう指示をし、自身の持つ力を総動員した。”道を開けておけ、俺が全て背負う。” そう言った。彼の目もそれを物語っていたね。」
ジャズが残り4:34で1点差に迫ると、ポールはそこから次の4ポゼッションで得点を決め、再び9点差へと引き離しジャズの追随を許さなかった。
「CP3!CP3!CP3!」
3ポイントとミッドレンジから次々とシュートを沈める彼の姿に、アリーナは熱狂の渦に包まれた。
アトランタ・ホークスのレジェンド、ドミニク・ウィルキンスと並びカンファレンスファイナルに進出した事がない9タイムオールスターだったポールは、この日フィールドゴール13/22、3ポイント8/10、そしてフリースローを7/8でヒット。ポールがコート上にいる間、ロケッツはジャズを20点アウトスコアしていた。
▼クリスポール 第5戦ハイライト▼
「彼は凄いプレイヤーだ。」
計24得点の内第3クォーターに22点を挙げ、惜しくも最終クォーター残り7:09で左足に怪我を負ってしまったジャズのスーパールーキー、ドノバン・ミッチェルはそう語った。
「彼は今までプレイオフでたくさんの不公平な批判に晒されてきた、そして今夜彼は勝利を欲したんだ。彼は毎晩それをしているけど、今夜彼が見せた支配的な活躍は特に凄まじいものだったよ。あんなショットには脱帽せざるを得ない夜だった、俺たちも良いプレーはしたけど、今の彼は全く異なるモードに入っているよ。」
先日33歳の誕生日を迎えたポールはこれまで4度セミファイナルを経験している、1度目はニューオーリンズホーネッツで、そしてロサンゼルスクリッパーズで3度。その内2回は王手をかける所まで行っていた。
ホーネッツでの敗退は2008年、彼にとって初めてのプレイオフでサンアントニオ・スパーズに対し第7戦まで縺れた末に敗れていた。
そしてクリッパーズでの最初の4シーズン中3シーズンにおいてセミファイナルで敗退、2014シーズンにサンダーに敗れた際は自分が敗因だと語っていた。シリーズの明暗を分けたと言える第5戦の勝負所で痛恨のターンオーバー、そしてファールを犯し105-104でサンダーに逆転を許していた。残り50秒で7点リードしていた状況からの敗戦は耐え難いに違いない。更に2015シーズン、ロケッツに3-1から逆転負けを喫したのは苦い記憶となっているだろう。ポールはそのシリーズの最後の3ゲームで26.3得点、10.3アシストを記録していたがネクストラウンドに駒を進める事は出来なかった。
Chris Paul did it! pic.twitter.com/kMiJKkGm4t
— SB Nation (@SBNation) 2018年5月9日
「彼は絶対ユタに戻りたくないと思っていたはずだよ、クリッパーズで3-1から敗退した経験があるからね。」
クリッパーズ時代のチームメイトでもあり現在ロケッツでプレーしているルーク・バー・ムーテの言葉だ。
「ジェームズ(ハーデン)が不調な時に、彼はチームを背負ってプレーしたんだ。あの第4クォーターは、ただただ支配的だった。あの彼の目は以前も見た事がある、そして今夜もそうだった。おそらく自分が見た中で最高のパフォーマンスだったんじゃないかな。」
ここ2年間クリッパーズで1stラウンドを突破できずにいたポール、昨年優勝のチャンスを求めてロケッツへとやって来た事は間違っていなかった。
自身のメンターとも言える存在であるポールに、試合後ミッチェルはこう伝えていた。
Rookie & the vet.
Mutual respect between @CP3 & @spidadmitchell. #ThisIsWhyWePlay pic.twitter.com/qig5M8aLk8
— NBA (@NBA) 2018年5月9日
「初のリングを手に入れてくれ。」
ロケッツはカンファレンスファイナルでペリカンズを4-1で下したディフェンディングチャンピオン、ゴールデンステイト・ウォリアーズと激突する。
リーグを代表するスーパースター、ステフィン・カリーが怪我から復帰し万全となったウォリアーズは手強いが、ロケッツはその最強チームを倒すためにポールを獲得したのだ。そして今回ホームコートアドバンテージはロケッツが持つ。
勝機は、十分にある。
Next up, Warriors. 🍿 pic.twitter.com/RojShgrvvy
— Houston Rockets (@HoustonRockets) 2018年5月9日
“ポイントゴッド”の異名を持つリーグ最高級ポイントガード、クリスポール。
彼がリングを手にした時、史上最高のポイントガード議論にその名が加わる事だろう。
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