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迷走とも見られる契約が続くレイカーズ、新スタイルのレブロンを含めた今季の狙いとは

2018年07月05日
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レイカーズは一体何をやっているんだ?

レブロン・ジェームズ獲得の歓喜から間も無くしてランス・スティーブンソン、ジャベール・マギー、ラジョン・ロンドと、レブロンと相性が良く&チームの課題でもあるシューター勢との契約はなく次々と名のあがる個性的なプレイヤーに次第に混乱していったレイカーズファン、一体これだけ癖が強くボールを持つ前提での活躍が見込めるプレイヤーを単年契約でかき集めて何がしたいのか?そんな声が次第に飛び交うようになった。

まるで理想とするゲーム展開から逆行とも取れるチームの動き、なぜレイカーズはこのような行動を取っているのか、その答えはレイカーズの球団社長であるマジック・ジョンソンとGMであるボブ・ペリンカの計画にあった。

まず二人はレブロンと契約を交わす前の6月30日のミーティングで、これらのプランについてレブロンに説明をしていた。

キャブズはこれまでたくさんのシューターを揃えて来た、しかしそれは諸刃の剣ともなりプレイオフではレブロンがほぼフルで出ずっぱり、なぜならフロア上でプレーをクリエイト出来るのは彼のみ、時には1対5のような状況で試合を進めなければならなかった。

そしてチームの優先度が高いのはシューター、ディフェンスよりもオフェンス意識の高いプレイヤー達であり、過去3シーズンに渡ってディフェンス効率はリーグ下位に沈んでいた。昨季は29位とほぼ最下位という酷さ、ファイナルでリーグ最強のオフェンスを誇るウォリアーズを止められるわけはなかった。

マジックがレブロンに提案したのはタフなマインドを持ったプレイメーカーを充実させる事、これまでレブロンがオフェンスを自身でクリエイトしなければならない状況から、ロンドやスティーブンソンにボールを預け自ら中に切れ込み、またポストから攻撃を仕掛ける状況を積極的に作り出す展開だ。ロンドとスティーブンソンは攻守にバランスが取れたプレイヤーで、スウィッチでの対応もスムーズにこなす事が出来る。マギーもリムプロテクターとしての守備面に加えロブフィニッシャーとしても貢献が見込めるだろう。また昨シーズンデビューしたルーキーのロンゾ・ボールは球離れの良いプレイメーカーかつポイントガードとしては上背がある好ディフェンダーで、リバウンダーとしても優秀だ。

同じ西カンファレンスのライバル(名前は明かされていない)の球団社長はこう言っていたそうだ。

「(レイカーズのこれまでの動きには)目を回している人々もいるだろう、しかし自分はレイカーズがしている補強は好ましいと思っている。過去数年のドラフトで良いシューターというのはそれなりに見つけられたが、プレイメーカーはやはり重要で、見つけるのが困難だ。」

更にレイカーズは昨シーズン3ポイントの成功率でリーグワースト2位を記録したが、チームはその改善よりもまず速いペースでのゲーム展開とすることに焦点を置いている。Second Spectrumによると、若いプレイヤーが主体となった昨シーズンのレイカーズはリーグで3番目に速いペースで試合を進めていた。(48分間で102.6ポゼッション)そしてトランジションから平均22.6点を稼ぎ出しており、これはウォリアーズに次ぐハイスコアとなっていた。

かつてレブロンが所属したチームは一度もハイペースのランキングリーグTOP10に入っていなかった。しかしレブロン自身は昨シーズン、トランジションからの得点回数で185回とラッセル・ウェストブルックに次ぐ2位を記録。そしてトランジションからの得点で400点以上をあげたのはウェストブルックと彼のみであった。

レイカーズはここに相乗効果を見出している。これまで前線を走り続けたレブロンの役割をレイカーズの若手が担い、アウトレットパサーとしても優秀なレブロンが最高のタイミングでアシストを供給する。

ロスター構成含めレイカーズの狙いはリスクも伴うと思われるのは事実だが、通算16度の優勝を誇る名門はレブロンとチームにとって新しい方向性にトライしてみる価値を見出していた。それはレブロンがこれまでクリーブランド・キャバリアーズで遂行したバスケとは異なるスタイルだ。

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レブロンに近しい関係者が語った所によると、現在のレブロンはもう証明するべきものは何もないと考えており、彼自身も何かしらの変化を求めている、そしてその自然なプロセスを受け入れられる状態であるとの事だ。

今年の12月に34歳の誕生日を迎えるレブロンはこれまでコービー・ブライアントやマイケル・ジョーダンといったレジェンド達から如何にしてキャリア終盤にウイングからポストへと活躍の場を変化させていったかを学んでいた。例えばコービーは、36歳だった2014-2015シーズンにガードプレイヤーのリーグトップとなる一試合平均5.5回のポストアッププレーを展開、更に37歳だったラストシーズンも2.9回を記録し全ガードプレイヤー中5位の高頻度を記録していた。

レブロンはここ数年でポストプレーに磨きをかけている。しかしキャブズでは度々ペリメーターからのプレーを強いられる事も多かった。そしてレイカーズで6’9の長身ガードとしてプレー、1980年のNBAファイナルではチームの柱であるカリーム・アブドゥル=ジャバーが怪我で欠場した際にセンターとしてのプレーを経験したマジック(20歳のルーキーでファイナルMVP受賞)なら、レブロンの状況をよく理解出来る。

▼1980ファイナル第6戦、センターでプレーするマジック▼

レブロンはこれまで培ったプレースタイルを崩すのは容易ではないとしながらも、身体能力に衰えが見られてくるこれからの事を考慮するとボールコントロールを他のプレイヤーに任せ、自身がより中でのプレーを増やす事に理解を示しているそうだ。そしてレブロンはコービーやジョーダンよりも一回り身体が大きく、素晴らしいコートビジョンとパスセンスを持つため彼らよりもそのアドバンテージを大きく活かせると見られている。かつてのマジックがそうであったように。

またレイカーズはレブロンのベテランとしてのリーダーシップにも期待を寄せているが、彼同様にチームに大きな貢献をしてくれると見ているのが新加入のラジョン・ロンドだ。昨シーズンにキャブズからトレードで移籍したアイザイア・トーマスが早くしてチームに良い影響をもたらし、若手のプレイヤー達を感化させたことは正にコーチ陣が求めていた事だった。そんなトーマスを見せて、度々ヘッドコーチのルーク・ウォルトンは若いプレイヤーのメンターとなった彼を褒め称えていた。そして今季はその役割をロンドに求めることとなる。これまで数々の大舞台、そしてキャリアでのアップダウンを経験してきたロンドはレイカーズの若手プレイヤー達に多くの学びを与えることだろう。

まだ今季の開幕に向けてやることは残されているとされるレイカーズ、トレードでスパーズからカワイ・レナードを獲得するという話はなかなか進展しそうにはないが、チームに必要であることも間違いはないシューター勢の補強も間も無くされるだろうという噂もある。

ちなみに昨季デビューしたレイカーズのルーキー、ロンゾ・ボールのビッグマウス父親として大いに話題となっていたラバー・ボールは、

「俺の息子にリーグ最高のプレイヤーを加えて、優勝しないわけがないだろう!」

と既に自信に満ち溢れている。

色々と不安要素も囁かれているレイカーズではあるが、とにかく大きな変化が見られることは間違いない今シーズン。リーグ最高のプレイヤーを迎えた名門がどんなゲームを見せてくれるのか、大いに堪能したいものだ。

参考記事 : ESPN


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About cata.

cata.
96-97シーズンよりNBAを見始め、それがきっかけで中学からバスケを始める。高校ではNBAファンサイトの運営に夢中になり青春を台無しにする。大学から渡米し7年滞在後に帰国。三度の飯より四度の飯が好きってぐらいダンクを愛するB型アラサー。

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