ラプターズキラーことレブロンジェームズが敵地エア・カナダ・センターで牙を剥いた。
東一位のラプターズ対四位のキャブズによるイースタンカンファレンスセミファイナル第一戦は、延長の末113-112でアウェイのキャブズが勝利を飾った。
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— Cleveland Cavaliers (@cavs) 2018年5月2日
▼ラプターズ対キャブズ 第一戦ハイライト▼
第1クォーターで主導権を握ったのはラプターズ、1stラウンドを第7戦まで戦い抜き疲労が残るであろうキャブズに対しアーリーオフェンスから早いテンポでスコアを重ねる。カイル・ラウリーとデマー・デローザンの二本柱に加えヨナス・バランチュナス、OG・アヌノビーも追加点とチーム全体でスコアを重ね、アウトサイドも高確率で決まりキャブズを33-19とリードする。
しかし第2クォーターに入ると、JRスミス、ジェフ・グリーン、カイル・コーバーが3ポイントを沈めじわりじわりと追い上げ60-57、3点差までキャブズが詰め寄る展開で前半を終える。後半ラプターズはバランチュナスを中心にインサイドから着実に点を重ねるが、キャブズもレブロンの1on1、コーナーからコーバーの長距離砲が火を引き第3クォーターを終えた時点で5点ラプターズリード。
そして勝負の最終第4クォーター、ここでキャブズとラプターズの経験の差が露呈される。
▼1点差に詰め寄る3を決め気合いの入るレブロン▼
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— NBA on TNT (@NBAonTNT) 2018年5月2日
ラプターズはクラッチタイム突入後フィールドゴールを全く決められない。焦りからかオフェンスリバウンドを拾ってもフープに押し込む事が出来ず、逆にレブロンに残り30秒で同点弾となるジャンパーを食らい延長に突入。
延長では開始早々コーバーとスミスがレブロンからのアシストで3を沈めリードを拡大、ラプターズはデローザンとラウリーが連続でスコアするが追いつくことは出来ず万事休す。アウェイのキャブズが貴重な先勝を挙げる形となった。
▼第4クォーター&OTハイライト▼
勝利したキャブズは、レブロンが26得点・11リバウンド・13リバウンド・2ブロックの活躍。フィールドゴールは12/30、3ポイントが1/8、更にフリースローも1/6とペイサーズとのシリーズの疲労が残っているのかシュート精度が落ちていたが、1on1でのイージー2、要所でオープンへ捌くコートビジョン、そしてラプターズオフェンスを先読みしてのチャージング誘発、極め付けはタフなクラッチショットを沈める勝負強さを見せつけラプターズに恐怖を与えた。
▼レブロン トリプルダブル▼
またスターターのコーバーとスミスは共に3ポイントを5本ずつ沈め、スミス20得点、コーバー19得点と仕事をこなした。ベンチからはグリーンがフィールドゴール4/4、フリースロー7/8での16得点、そしてトンプソンが26分の出場ながら14得点・12リバウンド(オフェンスリバウンドが9)とペイサーズとの第7戦に続くダブルダブルで貢献。
対するラプターズは、エースのデローザンが22得点、ラウリーが18得点・10アシストのダブルダブル、そしてバランチュナスが21得点・21リバウンドと健闘した。
ラプターズは過去二年に渡りプレイオフでキャブズに辛酸を舐めさせられており、2016シーズンではカンファレンスファイナルで2-4で敗退、そして昨シーズンはセミファイナルで0-4のスイープと完敗。そして今シリーズが始まる前にはチームの総合力で上回るラプターズだが接戦に弱いため、大舞台での経験豊富で接戦に強いキャブズ相手だと分が悪いという意見も多かったが、まさにその通りの結果となってしまった。
こちらは試合前にスポーツイラストレイテッドからツイートされていた画像だ。
Tale of the tape for Game 1 pic.twitter.com/nGSaqKnYKI
— Sports Illustrated (@SInow) 2018年5月1日
シーズン成績はラプターズに軍配、そして3日の休息があり、準備は万端。
しかし、ラプターズにはレブロンがおらず、キャブズにはレブロンがいる。
結果はレブロンがトリプルダブルを達成し同点弾を決め、延長でキャブズが勝利。昨プレイオフのシリーズ途中にデローザンが「レブロンの止め方を誰か教えてくれよ」と匙を投げるような発言が注目を集めていたが、今回の敗戦はまたしてもレブロンの悪夢が蘇ったかのようだった。
この結果を受けて今回もキャブズがあっさり勝つと既にシリーズの行方を予想している者はいるが、試合全体の流れを通して判断するとそうとは言い切れない。
そしてチームの総合力としてはラプターズ優位という事実は変わらないだろう。今年がここ3年において最もチャンスがあるというのも同様だ。
ポジティブな見方をすれば試合終盤にフィールドゴールが決まらず、インバウンドから痛恨の5秒バイオレーションを犯すなどミスを繰り返しながらも同点で4クォーターを終えたのはそれまでラプターズが良いバスケットをしていた証拠と言える。彼らが今季59勝を挙げ東の一位に君臨しているのはマグレではない、第二戦以降にも希望が持てるチームであることは間違いない事実だ。
まず次戦以降にキーとなるのは、キャブズのアウトサイドを如何に抑えるかだろう。特にコーナー3のケアが試合を通して改善されていなかった。ラブのポストアップに上背のないデローザン&ラウリーがダブルチームに行きウィークサイドでアウトナンバーを生みクロスコートで振られコーナーからコーバーに3を許すシーン、またトップでレブロンがハンドルしている際にダブルチームを仕掛け、スクリナーが付いていたヒルがミドルに飛び込み中継、そしてスミスのコーナー3と迂闊なダブルチームから失点する場面が目についた。極力ドライブ時のヘルプのみを意識して、安易にオープンを作らないディフェンスは必須だろう。ちなみにキャブズは今季シーズンを通してのコーナー3の平均が左右共に4割越えと大きな武器となっている。それこそキャブズにとってレブロン以外の大きな得点源は3ポイント、これが生命線となっているチームなのでここをケア出来る出来ないで戦況は全く異なってくる。そして今日はスミスの3ポイントが5/6と絶好調だったが、波の激しい彼だけにこれが毎試合続くとは限らない。しかもラプターズはバランチュナス&イバカのフロントコートがインサイドを制圧出来るため2点を確実に重ねることが出来るのは大きい、お互いにアウトサイドが決まらない展開となった時にこの差は大きく響いてくるだろう。
そして本日のラプターズはどんどんボールをプッシュしアーリーオフェンスから攻めていたが、若手不足であるキャブズにとってはこの展開を続けられれば徐々にダメージとして蓄積されてくるはずだ。しかもキャブズは1on1でコースを防げる好ディフェンダーがいないためアーリーで攻めてヘルプが間に合わない内にドライブで点を重ねるのは効果的だ。タイムアウト中にドウェイン・ケイシーHCが展開を速くしろと叫んでいたが二戦以降もオフェンスは同様の作戦で問題は無いだろう。
今日の試合は結果的にキャブズが勝ったが、終始ラプターズがリードを保っていたのは事実、彼らが勝っていてもおかしくはなかったゲームだけにこれからのシリーズの行方が楽しみだ。
注目の第二戦は明後日、現地時間の5月3日に再びエア・カナダ・センターで行われる。
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