やはりネッツはハワードを戦力として求めてはいなかったようだ。
ティモフェイ・モズコフと2つの二巡目指名権&金銭と引き換えにネッツへトレードされたばかりのドワイト・ハワードだが、トレードからわずか一日でバイアウトされる見込みとESPNのクリス・ヘインズ記者が伝えた。
Dwight Howard and Brooklyn will negotiate a buyout, per @ChrisBHaynes pic.twitter.com/cuTx5fHLX4
— Bleacher Report (@BleacherReport) 2018年6月21日
これによりハワードはトレードが正式に成立となるモラトリアム期間を過ぎた来月6日から完全フリーエージェントとなりトップクラスのビッグマンとしてFA市場に出る事となる。
まさかの、しかしある意味ではやはりとも言えるスピードバイアウト。ネッツは今季デビューしたルーキーセンター、ジャレット・アレンの存在に満足していると伝えられており、ハワードの存在により彼のプレイタイムが削られる事が懸念されていた。そしてネッツはハワードを来季のために戦力として必要としていたのではなく、元々モズコフの2年3270万ドルの契約を手放し、2019-2020シーズンのFAに向けて二つのマックス契約枠を空ける事が最優先だった事が明らかとなった。逆にホーネッツ側は来季のラグジュアリータックスの支払い回避を最優先とし、ハワードの2380万ドルの高額1年をモズコフの2年3270万ドルに分散し約800万ドルの節約、更にハワードはチームメイトから好かれていなかったという報道もありホーネッツ側にはチーム状況的に彼を放出したい理由があったのかもしれない。これらの事からお互いの利害が一致した結果のトレードだったと言えよう。
ハワードにとっては新天地で新たなスタートと気持ちを入れ替えようとした矢先のリセット、これには落ち込んでも無理はないかもしれないが、当の本人はそもそもホーネッツから放出された事自体がとてもショックであったようだ。
「実はかなりショックだった、それ(ネッツへのトレード)が起こるとは思っていなかったからね。今季は本当に充実していた。まず第一にこれまでで最も健康である事が出来た、そして第二に今季のスタッツはこれまでのNBAのキャリアで最高の一つと言えるものだったからだ。」
確かに今季の彼は一試合32点・30リバウンドを達成するなど目覚ましい活躍を見せ、ミドルレンジのジャンパーも度々沈めるなどプレーの幅を広げていた。
▼32得点・30リバウンドゲームハイライト▼
そしてここ8シーズンで初となる80試合以上(81試合)に出場し、一試合平均16.6得点・12.5リバウンド・1.6ブロックを記録していた。また試合中に笑顔が見られるシーンも多くホーネッツでのプレーを楽しんでいた印象があり外見、そして数字上からは順調なシーズンを送っているように見受けられたが、チームは彼を重要なピースの一人とは見ていなかった。それ故に今回の決定事項は辛い出来事となっただろう。しかし彼はそれと同時に、この事態を冷静に受け止め次を見据えていた。
「今季は自分がどんなプレイヤーか、そして何が出来るのかを改めて証明出来た一年だった。これまでのキャリアで最も多くのジャンプショットを決め、ピック&ポップも上達した。俺のアイソレーションの機会も多かった。まだ自分はポストで支配することが出来る状態ではあるが、今の俺はこれまでとは違う視点でゲームを見る事が出来ていて、もっと多くの事がこなせるようになっているんだ。俺はまだまだプレイヤーとして成長を続けていきたいんだ。」
そして彼はこう続けた。
「全ての出来事には意味があるんだ。俺はこの出来事に自分のゴールを邪魔させるつもりは全くない、それはより良いプレイヤーへと成長を続ける事だ。」
ハワードのバスケットボールにおいての優れた才能は誰の目から見ても明らかだが、彼のロッカールームでの問題は常につきまとっている。前述した通り、今回のトレードが報道された際にはハワードがホーネッツのチームメイトから好かれていなかったというニュースが瞬く間に広まっていた。
だが、昨シーズンにホークスでハワードと共にプレーしていたケント・ベイズモアはそんな彼のキャラクターを褒め称えていた。
「彼はたくさんの不当な非難を受けているが、彼は素晴らしいチームメイトだ。彼のエネルギーと笑いはこの長いシーズンを乗り越える上で助けとなっているよ。そしてもし個人的にタフな状況に直面した場合、彼のような人間がいるのはとても良い事なんだ。彼がアトランタと契約する前はたくさんの悪評が彼につきまとっていた。でも俺は彼が良い心を持っていると分かったし、毎日ハードにトレーニングをこなしているのを見て、その評価は逆転したよ。」
現在もつきまとう悪評だが、ハワードはアトランタ時代を振り返りこう語った。
「常にたくさんの人々が質問を投げかけあーだこーだ言ってくるが、その大半はちゃんとソースを確かめるべきなんだ。そして誰かが他のプレイヤーを軽視する時には、彼らのキャラクターを吟味しなければならない。でも噂というのは常につきまとうものだ。そして逆に言うと、自分はアトランタでベストチームメイトと評価され、ベストチームメイト賞を受賞したんだよね。俺は常に自分がして欲しいと思う待遇を皆にも出来ている事に誇りを持っている。」
確かにアトランタから放出というニュースが出た際にチームメイトが喜んだという報道はあったが、その後にホークスでのベストチームメイト賞を受賞したのは不思議ではある。そして仮に一部のチームメイトが実際に喜んでいたとしても、恐らくベイズモア含めハワードに好意を持ったプレイヤーもいたことは間違いないのだろう。
彼が現在スーパースターの地位にはいないのは事実だが、これまで著しいパフォーマンスの低下は見せていないハワード。来季どのチームのジャージを着ているかは分からないが、まだまだリーグ屈指のビッグマンとして活躍を続けてくれる事を期待したい。
「俺はこの一年何も問題なく過ごす事が出来た。俺のゴールは来季も戻って来て、チャンピオンに向けてチームのために尽くす事だけだ。」
それでは最後にバイアウトの話が報道された後にハワードが投稿したツイートを貼らせて頂こう。
— Dwight Howard (@DwightHoward) 2018年6月21日
「心配はいらない。神は常に計画通りだ。彼を信じよう。」
参考記事 : ESPN
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